第15話:エリカの放課後。~その3~

社長室を出て行ったエリカと佳奈、そして古谷の3人は、夜のミナミの街へ繰り出した。

街を歩いてる途中、佳奈がエリカに話しかけた。


「エリカちゃん?」

「なぁに、佳奈ちゃん」

「エリカちゃんはいつ大阪へ引っ越して来たの?」

「んー、3日くらい前、かな」

「そうなんだ」

「うん」

「部屋は?一人暮らしだよね?」

「そだよー、って、この古谷さんが部屋のこととかもたまにしてくれるんだけどね」

「さっすがご令嬢!」

「いえいえ、私はそんなに……」

「充分頼りにしてるよー、古谷さん!」

「かたじけない……」

「で、こっち来て何かおいしい物はもう食べた?」と、佳奈が聞く。

「それがまだ何も」

「じゃあお好み焼きなんてどうやろ?」

「いいねぇ、行きたいっ!」

「それじゃあ道頓堀どうとんぼりへ行きましょうか、お嬢様方」

「道頓堀っ!!人生初だわー!」


そして3人は、夜のネオンが輝く道頓堀へと繰り出した。


「エリカちゃん、グリコのトコ行く?」

「え、いいの?」

「えぇってえぇって」


3人は、御堂筋を歩き、道頓堀の戎橋えびすばし近くまで来た。

初めて見る大阪の夜の街に、エリカは感動したのか、すごくテンションが高かった。


「うわーうわーうわー!!すっごいすごいすごい!!」

「そんなはしゃがんでも」と、佳奈。

「だって初めてなんだもん!」

「じゃあさ、こっち来て!」


と、エリカの手を引っ張り佳奈が橋のちゅう奥部へ連れて行く。


「後ろ振り向いて?」

「え?」


と、エリカが

後ろを振り返ると、そこにはテレビなどで良く見るグリコの巨大看板があった。


「うわー!!すごーい!!」


エリカの興奮は止まらない。


「ねぇ古谷さん!」

「なんでしょう?お嬢様」

「佳奈ちゃんと2人でグリコをバックに写真撮って?」

「かしこまりました、スマホ、お預かりしますね」

「どうぞー」


「エリカちゃん、ポーズポーズ。こうやで、こう!」


と、佳奈がグリコのポーズを取る。


「えー、それやるのぉ?」

「あったりまえやん!」


そしてエリカと佳奈の2人は、グリコのポーズを取ったので、古谷がこう叫んだ。


「はーい、撮りますよ~」

「おっけー」


パシャ


古谷は、2~3回シャッターを切った。


そして、古谷のそばへ戻って来た2人は、写真を見る。


「うわー、キレイに撮れてるー」

「良かったね、エリカちゃん!」

「うん!」


「さ、おふたり、ご飯行きましょうか?」


『はーい』と、2人は口を揃えて返事をした。


古谷は、道頓堀でも有名なお好み焼き屋さんへ2人を連れて行った。

ミナミの夜はまだまだ終わらない。

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