第12話

「はい……」


 早良が、返事をした。

 するとふと周りの視線に気づく。


「あ……

 このボクさんを除き自分で自分の身を護れるのでなんとかなりますよ」


 ブリ男がそう言ってケラケラと笑う。


「へ……?

 清空ちゃんも?」


「私は、空手部の期待の星だからな。

 怪人のひとりやふたり、ちょちょいのちょいだな」


 清空もそう言って笑う。


「まぁ、俺はお前の先輩だ。

 魔法のことに関しては、何でも聞け」


 無が、そう言って小さく笑う。


「先輩?

 近藤くんも魔法少女なの?」


「いや、女じゃない。

 俺もブリ男と契約をした魔道士ってことだ」


 無が、そう言うと自分の足元に指を向けた。


「あ!近藤くん影がない!」


 早良が、驚く。


「まぁ、普通は気づかないわな」


 無が、ため息をつく。


「で、近藤くんが魔法少年なのはわかったけど……

 黄昏くんは、魔法は使えないの?


 早良が、そう言うとボクが答える。


「うん……

 僕には、その才能がないから……」


 ボクが、そう言うとブリ男がサラリと言葉を出す。


「ちなみにボクさんは、メタル族の末裔で倒すと経験値がいっぱい入ります。

 なので、ボクさんが、怪人に殺されると怪人は名を持ちさらに世界を壊滅させれるほどの力を得ることが出来ます。

 ボクさんを護るイコール世界を護ることに繋がるので、早良さんもボクさんのことを護ってくださいね」


「お前、あっさり言うのな……」


 無が、再びため息をつく。


「重要な事なのでもう一度、言いましょうか?」


「いえ、いいです……

 いまいちピンと来ませんが、メタルスライム的な存在なのはわかりましたから……」


 早良が、そう言うと無が早良の方を見る。


「お前、タメ口でいいぞ?」


「へ?」


 早良が驚く。


「俺たちはこれから、ボクを護る仲間だ。

 その仲間に敬語は必要ないだろう?」


「え?」


 無の言葉に早良が驚く。


「そうだな。

 早良、この際だから親しくない人に対しての敬語を止めたらどうだ?

 壁も消えるかもしれないぞ?」


「そ、そうかな……」


 早良の目が、どこか悲しげになる。


「壁は、自分から消さないといつまでたっても消えないよ。

 って、僕が言うのもおかしいかな……」


 ボクは、そう言って小さく笑った。


「うんん。

 そんなことない……だけど、ちょっと緊張するかな」


 早良の顔が少し赤くなる。


「そうそう、その調子だ」


 清空が、そう言って早良のお尻を叩いた。

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