7:00

「プレゼントー!」


子供たちがリビングに向かってダッシュする。


今日は毎年恒例のクリスマス会。

親戚みんなで家に集まってクリスマスを楽しむ。

この日はとても家が賑やかでとても楽しい。


でも今年から一つ違う。


私の親がこの一年で二人とも亡くなってしまった。

病気持ちでもずっと笑顔で振る舞っていた二人だったからそんなに死が迫ってるとは思わなかった。


私に気遣いをさせないように、

無理させてしまったのかもしれない。


「ほら、あなたのよ。」


おばさんから細長い箱のプレゼントをもらう。


「わぁ!ありがとう!」


いつも通り、笑顔でいないと。


[May happiness come to everyone who listens.

皆さんおはようございます。クリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]


「ちょっとー、お父さんこっちTV見てるんだからそれ消してよー。」


「俺の日課だ。邪魔するな。」


「お母さん何とかしてよ。歌番組今から見るのにー。」


「すぐ終わるから、ちょっと違うことしよっか。」


みんなそれぞれ今日を楽しんでいる。


こんな暖かい家族が周りにいるのに私はなぜか一人なきがする。


「ママー。おしっこ!」


「はいはい。パパご飯あげといて!」


「はいよー。今日はグラタンだぞー。」


「あちぃよ。」


普段ならこの家族たちを見て笑顔になれたんだけどなぁ。

今日はちょっと難しいみたい。


プレゼントを開けると、キラキラと輝くブレスレットが入っていた。

箱の中に手紙も入っていた。


パパとママから?


「このプレゼント、預かってたの。あなたのお父さんとお母さんがあなたに似合いそうなものってすごい悩んでたわ。」


「ありがとう…。」


おばさんは自分の子供のところに行く。


パパとママはここにいるんだね。


[では、次の曲、Joy To the World。あなたに幸多からんことを。]


「おーい、みんなこれ知ってるよな?」


「知ってるー!」


「よーし、みんなで元気に歌うぞー!」


「お父さんやめてよ。恥ずか…」


「いいの、みんな知ってることでしょう?」


「おじさん!歌詞見せて。」


「いいぞ。ほれ。」


みんなが歌い出す。

今年もいつも通りのクリスマス。


私は宝物のブレスレットをつけて合唱に参加した。

パパ、ママありがとう。

今年もとても楽しいクリスマスだよ。

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