6:00

オールしちゃったよ。


子供の頃、サンタさんが来ないか待っていた日が懐かしいな。

だけど、夜中サンタさんは来なかった。


でもサンタさん候補の人が一人。

昨日からずっと連絡を取り合っている。


『今電車乗った。』


夜勤明けの彼。

少し前に今日言いたいことがあるって、

連絡が来た。


こんな日に言いたいことって…ね!

期待しちゃってもいいよね。

でも違ったら赤っ恥!


[May happiness come to everyone who listens.

皆さんおはようございます。クリスマスが終わるまでひとつまみのきせきをお届けします。]


いつも垂れ流してるラジオ。

初めてこの放送聞いたかも。


でも前にも夜勤明けに、家に来たことあるんだよな。急に朝ごはん一緒に食べたくなったっていう理由。

可愛いけど、恋人じゃないんだよな。


友達として何年も過ごしてきたけど、

チラチラ男の顔を見せられて意識しはじめちゃう。


向こうはなんとも思ってないのかも。

あぁ、頭の中グチャグチャだー…。


眠いけど今寝たら努力も水の泡だし、

あと少しで洗濯物洗い終わるし、

心の準備もしとかなくちゃだし!


なに考えればいいのかわかんなくなって

思考が停止する。


[では、次の曲、Christmas wish。あなたに幸多からんことを。]


ノリノリだぁ。


鼻歌で歌いながら軽く部屋を片付ける。


「ラッキー、ラッキー♡」


リズムに乗っていると洗濯物が洗い終わったアラームが鳴った。


「はいはいー。」


と言って洗濯物をカゴの中に入れて、

ベランダに向かう。


まだ外は暗いけどいっか。

お昼には乾くかな。


体をリズムに乗らせながら、洗濯物を干す。


スマホが何度もブーブー鳴る。電話っぽい。


「はーい?」


「おーい。」


声が二重に聞こえる。


「ん?なに?」


「そこのベランダにいるノリノリなお姉さん。目線あげてみて。」


洗濯物から、外の景色を見てみると、

彼がいた。


川辺の方を指差す。


ん…?


『付き合ってください!』


とライトか何かで文字が作られてる。


「ひと昔前の告白しないでよ!」


「俺、目の前で言えないからさ。ごめん!返事は?」


「…月はずっと綺麗だよ。」


「なんだそれ!わかんない!」


「検索してから家に来な!」


ピッと電話を切る。

あわあわしながら、ライトを片付ける彼。


鈍感すぎるところも考えものね。

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