9:00
今日は終業式。
だけどこのご時世なので時差登校だ。
俺のクラスはもうそろそろHRが終わる。
朝早いのはだいぶだるいがその分早く終わるのは嬉しい。
二つのグループに分けて終業式をする。
もう一つのグループは10時から。
学校側的には午前中に終わらせたいんだろう。
「じゃあ、また後であの公園の時計で待ち合わせな。」
「あーい。」
友達の家でクリスマスパーティーをしようとなっている。
初めはカップルばっかの集まりで断ろうかと思ってたけど、友達の彼女が俺の好きな子もたまたま誘ってるらしい。
これはいくっきゃない。
家に帰り、制服から私服に着替える。
3日前くらいから練りに練って考えたコーディネート。
雑誌を読み返したり、コーディネートアプリやSNSで調べるがやっぱりあの子が好む服装はどんなに考えても出てこなかった。
まあシンプルかつスタイリッシュが無難なのかもなとなって昨日は3時に寝た。
お前のこといい奴って言ってたって。
この間あの子にジュースおごったんだってな。
お前らいい感じじゃん。
友達に言われるがあの子の心情は何も分からない。
それよりか俺といる時あまり笑ってないと思うんだけどな…。
はぁ…あいつらは能天気でいいなぁ。
でも、やることやったんだよなぁ。
時間になるまでコタツで暖をとることにした。
リビングに行くと母さんがいつも朝つけているラジオがつけっぱなしだった。
[May happiness come to everyone who listens.
皆さんおはようございます。明日のクリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]
ま、消さなくていっか。TVつけるよりエコだろ。
なんとなく聴きながらスマホで暇をつぶす。
今日の4時にあの公園の時計の下には俺とあの子しか来ない。
みんなが口裏を合わせて俺が告白する舞台を用意してくれた。
「あぁー、俺ちゃんと言えるのかなぁー…。」
ずっとシュミレーションするがあまり納得はいかない。
ずっとモヤモヤする。
メッセージで告ればいいとも言われたけど、
相手が見えない告白はなんだか寂しい気もするからやっぱり直接会ってするって自分から言ってしまったばっかりにこんなことになってしまった。
「好きです!なんで敬語なんだ…。」
「好きだ!んー叫ぶのは無し。」
「Love you…きもいな…。」
考えれば考えるほど間違った方に行ってる気がする。
[では、次の曲、snow jam。あなたに幸多からんことを。]
あ、これ好きなんだよな。
無意識に体がリズムに乗る。
あ、占い…1位!
ラッキーアイテムは大きめのマフラーか…。
俺の好きな子はいつもミニスカートを履いていて
ちょっと見えそうな時がある。
見ないように顔を上げるが、どうせなら隠せるように今日は大きめのマフラーを持って行こう。
自分の部屋からひざ掛けになるくらい大きいマフラーを用意する。
刻々と時間が迫る。
俺との会話、あの子は楽しいのかな?
いつも目が合わない気がするし…。
でも今日はもう告るしかない。
告った後はちゃんと目を見ながら好きを確かめられたらいいな。
成功したらの話だけど。
もう神に頼るしかない!
普段神に願い事なんか新年に健康でいられるようにとしかやってこなかったけど神様への一生のお願いを使ってもいいや。
神様、あの子と付き合えますように。
[ピロン]
メッセージが届く。
あの子からメッセージ。
今から会えるかって。
どうしたんだろ、でも今から会うんならもうやっちまおう。
コートと大きいマフラーを持ってあの子が待っている公園に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます