3:00

スマホを手に取り、通知が来ていないメッセージアプリを開く。


まだ既読になってない。


私の彼はいつも返信が遅い。

クリスマスにデートしようって送ったのに予定が分かったらまた連絡するって言って、もう前日。


バイトを頑張ってるのは分かっているけど連絡くらいしてほしいな。

無理なら無理で友達とパーティする計画立てれたのに。


この時間、彼のことを考えると口寂しくなる。


冷え込んでいるけど室内で喫煙は出来ないので、私はちっちゃいベランダに出てタバコを吸う。


今日も厚手のコートを着てベランダでたばこに火をつける。


たばこの煙と冷えた白い息が交わり、一時のホワイトクリスマスを味わう。


私は膝にスマホを置き、彼の返信が来るのを待つ。

通知音MAXにしていつでも気づけるようにいているから返信は準備万端。


[May happiness come to everyone who listens.皆さんこんばんわ。明日のクリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]


一つ下の階から流暢な英語を話すラジオが聞こえた。


下の階のカップルさん、まだ寝れないのかな。


タバコを吸っているとたまに聞こえてくるラジオの放送。

同じ作りの小さいベランダで好きな人と居られるなんて羨ましいな。


さっきまでかすかに聞こえていた楽しそうに話していた微かな声がなくなり、さらにラジオの音が聞きやすくなる。


[では、次の曲、wishlist。あなたに幸多からんことを。]


若い女性シンガーが歌っている可愛らしい曲。

鈴音と甘いシンガーの声がとてもマッチしていてる。


カラカラカラとベランダから部屋に入った下の階のカップルさんはラジオをつけたまま部屋に戻っていった。


私は未だにタバコしかキスする相手がいない。


「はぁ…。」


思わずため息が出る。

私も彼と一緒に温まりたいな。


そんなことを考えながら空を見上げる。

真冬の空はとても澄んでいて星がよく見える。


今、彼は何考えているんだろ。

私のことを一瞬でも思い出したりしてくれる時ってあるのかな。


タバコをまた一吸いしてまたひとりを味わう。


すると、ぶるっと体が震えた。


流石に夜は寒いな。もう部屋に入って寝よ。


タバコを火を消し中に入る。


[ピロン!]


スマホの通知音が大音量で鳴り、心臓がドクンっと強く鼓動を打った。

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