第三章
不穏(夏美視点)
はぁ…。一昨日は楽しかったな…。翔君と一緒にご飯食べられたし…。あぁ、考えているだけで年甲斐もなくドキドキしてしまう…。本当は大人の雰囲気とかも出したいんだけど翔君の前だとどうしても甘えたくなるっていうか子供っぼくなるっていうか…。
まぁ、でも最近は翔君と一緒にいることが多くなっている。私としては嬉しい限りだけどね♪
あっ!ダメだ、私…。しっかりしないと…。今から仕事なのに…。こんなんじゃ仕事に身が入らないよ…。
そうして私は幸せな気持ちに浸りながらも家を出るのだった。
**
「おはようございます」
なんとか会社に着くまでの間に仕事モードに切り替える。遥は例外だけどそれ以外の人とは、仕事とプライベートで線引きはちゃんとしている。そうしておかないと二人で飲みにとか誘われるからね…。どうせそういう人は私の顔と身体だけが目当ての人がほとんどだ。
「おは〜。夏美」
「おはよう!遥」
遥と挨拶を交わす。これもいつものことだ。
いつものことといえばもう一つ翔君の写真チェック。最近は翔君の写真も増えてきているので癒され感が半端じゃない。はぁ…、元気もらえる…。
「はぁ…。なんか夏美…。めちゃくちゃ気持ち悪い顔になってるよ…?」
「え…?そ、そんな気持ち悪い顔してたかなぁ…?」
「うん、してたよ…。なんかすごいだらしない顔…」
だらしない顔かぁ…。翔君の写真見て頬が緩んじゃったかな…?気を引き締めないと…。
そう思いながら仕事を始める。あぁ、でももう一回だけ翔君の写真見ておこう…。
**
ん…。ふぅ…。やっと区切りついた…。よし…。ちょうどいい時間だしお昼食べに行こう…。
「遥?一緒にお昼食べに行かない…?」
「あっ!ごめん…。夏美…。私まだこの仕事の区切りがついてないから行けない…」
「うん、分かった」
いつもとは違い一人で社内食堂に行くことになった。
………
………
………
あっ…。社内食堂、今日は結構空いてるね。じゃあ適当に座ろうかな…?
そう思い座ろうとした時に横から声が掛かった。
「あれ?夏美さん…?どうしたんですか一人で…?」
「ああ、新庄君…。遥はまだ仕事してるから今日は私一人だけなの」
「そうですか…。あっ、良かったら一緒に食べます?俺も今からお昼なんで…」
「ん〜。じゃあ一緒に食べようかな」
断るのも悪いので一緒に食べることにした。
「新庄君は最近仕事どうなの?」
「そうですね…。まぁ、ぼちぼちやってますよ」
「ぼちぼちなんて謙遜し過ぎじゃない?仕事できるって社内では有名だよ?」
「いやいや!そんなことないですよ…。夏美さんの方が凄いですって!」
「私はそんなにだよ?」
そうそう。最近なんて翔君のことで頭がいっぱいなのに…。
「あっでも僕は………………………
ご飯を食べ終わるまで私達は当たり障りのない会話をした。
**
「じゃあ、私はここまでだから、バイバイ夏美!」
「うん!バイバイ遥!」
私達は仕事を終えて一緒に帰っていた。でも私は徒歩、遥は電車で通勤してるからここで別れた。
今日は仕事終わるのが長引いたから翔君とは会えそうにないな…。ちょっと、ショックだ…。
まぁ、でもとりあえず家帰らないと…。部活で疲れて帰ってきた海斗にご飯作らないとだからね。
そう思い私は家に向けて帰り始めた。
一人の男が他の人とは違う目で私を見ているとも知らずに…。
==============================追記
短編書きました。めちゃくちゃ短いんですけど気軽に見てもらえれば幸いです。
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