解散

「えー…。じゃあ、そろそろお会計しまーす」


どうやらもう終わりの時間らしい。

ふぅーー…。やっと夏美さんから解放されるのか…。いや長かったな…。なんかボディタッチも多かった気がするし、それで俺もドキドキしてしまうしとにかくヤバかった…。


「翔!お前もこっちくればよかったのに!」


岡崎…。何がこっちにこいだ…。行けるわけねぇだろぉ…。だって俺夏美さんにずっと引っ付かれてたんだぞ…。


「よし!じゃあみんなここに自分の分のお金を置いていってくれ!」


よし…。じゃあ俺もお金払うか…。マジでこれでお金足りないとかあったら絶望だよな…。


  ………

………

………


「全員の分集め終わったからみんな先に外出ておいてくれ!」


あぁ…。打ち上げだから仕方ないけど俺の財布がすっからかんだ…。これがいわゆる金欠という状態だな…。


「翔!早く行こっ!」


俺はみんなに付いて外に出た。どうやらまだ何かするみたいな雰囲気がある。


「よぉし…。じゃあみんなで集合写真とるか!」


集合写真か…。これは場所取りが大事だよな…。俺は身長が日本人男性平均ぐらいだから背が高いやつの後ろは絶対ダメだ。


「俺ら四人で固まって写真に写ろうぜ!」


そういうわけで、俺、海斗、岡崎、剣崎の四人で固まって写真に写ることになった。他の人も各々で固まっている。


「はい!じゃあみんな笑ってー…」


どうやら写真は保護者の人に撮ってもらえるらしい。


ジーッ


うん…。なんかさっきからカメラ側にいる夏美さんから視線を感じるのだが…。ヤバい…。笑顔が引きつりそう…。


「はい、チーズ!」



**

写真を撮った後、解散という流れになったのだがまだ友達同士で遊ぶ人達もいるらしい。

まぁ、俺は帰るという選択肢しかないが…。そりゃだって、お金もう無いしな。高校生になってくるとどうしてもお金無しじゃ外では遊べないみたいになってくる。


「ねぇ、翔?今日楽しかったね!」


というわけで俺は今、海斗と夏美さんと一緒に帰っている。帰る方向は大体一緒だからな。


「あぁ、まぁ、そうだな…」


いや楽しかったと言えば楽しかったのはそうなのだが、夏美さんの行動に戸惑ったりドキドキしていたので他のクラスメイトとはあんまり喋ってないんだよな…。


それにしても夏美さん今は大人しいのだが何かあったのだろうか…?さっきから携帯を触っているような…。


「あっ、俺はこっちだから…」


「うん!じゃあまたね翔!」


「バイバイ、翔君!」


あれ…?夏美さん普通に元気だな…。うーん…。どういうテンションだ?まぁ俺が気にすることでもないか…。



(夏美視点:帰り道)

集合写真だけど、新しい翔君の写真…。嬉しい…。さっそく保存しておこう♪

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