第3話

ある日の朝4時。公爵邸内では何故かイリヤがご乱心の様子。


「なんで王子と婚約しなきゃならないのさ。

私はそういうの嫌いだと知っているでしょう⁉︎」

…婚約、ねぇ。私だってしてないけどさぁ。

まだ10歳だししてなくても良くないですか?

しかもあの暴君王子でしょ?あんなのと婚約したいなんて思えないわよ。


「…王子じゃなければいいのか。」


「そういう問題じゃないですよお父さま。

あの王子だから嫌なんです。」


「じゃあ第3王子ならいいのか」


「…変な人じゃなければ目立つ事はしません。」

普通親って娘を嫁に出したくないもんじゃないの。貴族は子供を駒だと思ってるのが多いから仕方ないかもしれないけど。


「あ、お姉さま。おはようございます。」

キラキラキラキラ〜ってしてるよ。あんた。


「おはよう。」


「朝食は食べて行かれますか。」


「悪いけど食べていかないわ。それよりまだ4時なんだけど。なんで起きてるのよ。朝食の時間でもないわ。」


「いや、お父さまに呼ばれて。…ごめんなさい。」


「…お父さまもそういうことしないで。」


「す、すまん。」


「それじゃあまた。」

今日は屯所に行ってセッティングしないとだから嫌なんです。嫌ではないけど屯所が無駄にでかくて嫌なんです。


この日を境に、私は順調に戦果を挙げていった。

アイリス帝国兵の殲滅。

クローディアス帝国との取り引き。

大規模な戦を未然に防ぐ。

民の信頼を得る。

公爵家の地位をさらに揺るぎないものにする。

など他にも色々。

-そしてかれこれ3年の歳月が経った。



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