第38話
すいません、別の小説と間違えてアップしました。差し替えました
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しばらく温まって、垢を柔らかくしてから、出る。布でごしごしと体をこすりながら、2つ目の樽からお湯をかけて流す。ごしごしざばーを何度か繰り返す。
それから灰汁で頭を洗ってざばー。モモちゃんが何かの遊びだと思っているのか楽しそうにきゃっきゃと声を上げる。
うわー、つるんつるんの肌出てきた。……痩せてガリガリだけれど。それでも垢が落ちて髪の毛も綺麗になってくるとモモちゃんのかわいらしさが倍増だ。
いやぁ、あかってこんなに溜まるものなんですね。遠い目……。綺麗になったら3つ目の樽にざばーん。ふと見ると、ミーニャちゃんがおばばさんの背中を流してあげている。
男子チームの樽の様子は見えない場所に設置したけれど、声をかけるときっちりお湯につかって体を洗って、それからはしゃいで楽しんでいるようだ。
ふぅ。いいお湯でございますねぇ。石鹸もシャンプーもないけれど、汗が流せただけでもずいぶんすっきりした。
眼鏡は外しして収納鞄に入れたし、髪の毛も洗ってタオルで頭の上にまとめて乗せている。
「かーおー、おねーちゃん、かおー」
モモちゃんが眼鏡をはずした私の顔を指さし、お湯につかっているおばばに何か訴えている。
「おや、本当じゃの。普通の顔になったわい」
は?普通?
「ユキお姉さんの顔にはめてたのは何だったんですか?」
ミーニャちゃんが首をかしげる。
ああ、眼鏡を知らないのか。そうか。ってことはもしかして今まで私、変な顔の人だったのか。
そういえば、王都でも変な顔と言われたけれど、あれは従妹のきららみたいにかわいくないから言われたのかと思ってたけれど。
単に眼鏡が原因なんだ。
……もしかして、眼鏡も魔法があるから必要とする人がいない?視力を回復させる魔法とかあるのかな?それとも視力は魔法で補えるとか?
そもそも、視力が悪くなるような生活してる人はいない?テレビもゲームもないし……。
と、ゆっくりはしていられない。
ディラ……はもちろん男子チームの方に剣を移動させたけれど、そのディラに教えてもらった洗浄魔法でみんなの服を綺麗にする。
水の魔石と風の魔石を使って洗浄魔法を行うらしい。うーん、原理としては洗濯機と乾燥機みたいなものなのかな?
「はい、すっきりしたねー」
2歳児モモちゃんをタオルで拭いて、ぼろぞうきんのような……それでも洗浄魔法で多少はマシになった服を着せる。
「出たら体をしっかり拭いてから服着るんだよ」
ミーニャちゃんがうんと頷いた。
とぼとぼと落ち込みながら男子チームの元へと歩いていく。服を洗浄してあげなくちゃ。
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