第6話

 掘り出したのは金属の鎖がついているロケットペンダント……にしてはやけに大きい丸い蓋がパカッと開く直径10センチ、厚み2センチほどの丸い金属の容器。携帯灰皿よりも大きいかな。

『そう、その鞄』

 鞄?

直径10センチ、厚み2センチの金属のこれが?いや、飴玉くらいしか入らないでしょ。あ、そうだ。浅田○みたいなのど飴の入った缶っぽいな。開け方はロケットペンダントみたいに開いて開ける分開け閉めはしやすいから物は出し入れしやすいのか……でも、飴玉くらいしか入らないこのサイズで鞄って……。

『あー、まずはそうだなぁ、お腹空いてない?』

 ……やっぱり、飴玉が入ってるんですね。

飴玉用鞄。はい、そう思うことにしましょう。

「300年前の飴玉……」

 いくらお腹が空いていても、ちょっと遠慮したい。いや、砂糖は腐らないっていうから、300年前でも問題ないのか?

『ああ、大丈夫。その収納鞄は、時間停止機能もついてるから、300年前といっても作り立ての食べ物出てくるから。重さも大きさも関係なくなっちゃうから、便利なんだよ。これまたドラゴン倒した時のドロップ品で、収納量は無限なのか、どれだけ入れても限界が来ない。他の収納鞄よりも小さいし、使い勝手がいいんだよ。あげるから使ってね』

 イケメンがにこりと笑う。

 いや、なんか、さっきからほいほいドラゴン倒してませんか?この世界のドラゴンって、もしかして地球的な最強生物とは違うのかな?

「収納鞄……」

 よく、ファンタジー小説で出てくるあれ?この飴の入ってそうな缶が?

『たぶん、世界に一つだけのユニークアイテムだよ』

 ニコニコ笑うイケメン。

 ……ユニークアイテム?世界に一つしかない、面白い品ってこと?いや、面白い品物をそんなに嬉しそうに……。

 あ、はい。逆らいません。面白アイテム身に着けます。えーっと、ペンダントじゃなくて鞄らしいんで……。ポシェットのように斜めに身に着ける。

『かわいい』

 は?

 三十路喪女のポシェット姿はどう考えてもかわいいというより「引く」じゃないかな……?

『そっか、そうだよね。僕は腰に巻き付けて使ってたけれど』

 ウエストポーチ、その手があったか!

『鞄なんだから、そう持つ方が君には似合うよ』

 ニコニコ笑うイケメン。これ、絶対本気で言ってるよね……。その言葉に逆らって今更ウエストポーチにはできない雰囲気……。幽霊の空気も読める霊感喪女です。

 いや、だってね、人間も怒らせると怖いけれど、幽霊を怒らせると、物理じゃない何かで攻撃されるから防ぎようがないからもっと怖いんだよ……。

 まぁ、最近ではずいぶん霊能力も向上しまして。除霊という方法で対抗できるようにはなりましたが……。除霊は失敗するとさらにひどい状態になるため、怒らせないというよりも関わらないのが一番ですけど。

「ありがとうございます」

 関わってしまっているからには怒らせない。

『えーっと、君は好き嫌いある?何が入ってたかなぁ。すぐに食べられるものだと、うーんとそうそう、歓迎会だとかなんだとか言って食べきれない量のご馳走を出されたときに収納したやつがあった。せっかくだしあれを』

 歓迎会?


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ご覧いただきありがとうございます。

この作品の前身となるものの改稿版となりまして。最後まで改稿した作品としては初公開となる予定です(まだ改稿終わってない……)

改稿前と改稿後の違いは色々ありますが、細かい修正もちょこちょこしています。

例えば、この話だと「いや、なんか、さっきからほいほいドラゴン倒してませんか?この世界のドラゴンって、もしかして地球的な最強生物とは違うのかな?」とか加筆部分です。

こういう細かいところちょこちょこあります。

楽しんでいただけると嬉しいです。


ちなみに、ドラゴンをホイホイ倒している→なんかすごい人物だったんじゃと、匂わせる意味合いがあるんですけどね。主人公はすごい人物に気が付いておりません……。


→感想とか、★レビューとか、文字レビューとか、応援とかしていただけると嬉しいです。

→あと、ツイッターしかしてませんが「読んだよー」報告してもらえると、見つけて喜びます

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