第7話 来訪阻止
やがて、エメラルダに濡れ衣を着せた王子がやってきた。
友人達は、宿屋に来る前に王子に向けて、嫌がら作戦をスタート。
遺跡に眠っていた呪いの秘宝で王子の姿を豚に変えたり、
武者修行中の武闘家が豚の丸焼きを作ろうとして、追いまわしたり、
情報屋のおっさんが人間に戻れる方法を教えて飴を与えてぬか喜びさせてみせたり、
裏路地の兄貴が、人間に戻れる秘薬を目の前で落として割って見せたり、
動物のお医者さんが、他の無害な動物のために臓器を取り出すと脅してみたり、
エメラルダが勤務している宿屋にたどり着く前に、王子は失神してしまっていた。
ひとしきり楽しんだ後、友人達は王子を人間に戻した。
そして、遠路はるばる暴走王子を探しに来た護衛や、情報をくれた騎士に同情しつつ、身柄を引き渡した。
彼等、最後に王女からの手紙を渡してその護衛達を見送った。
翌日、手紙を読んだ王子が卒倒したとかしないとか。
いずれにしても、そんな騒動があったとは全く知らずに、エメラルダは平穏な毎日を過ごしていた。
「ふぅ、今日も一日働いたわね。それにしても表が騒がしかったような」
エメラルダ 濡れ衣で国を追放された悪役令嬢が幸せに生きられるように、支えようと思います。乙女ゲームの原作知識をもった転生者五人くらいで。 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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