第3話新しい世界

ルーンが目を開けると、そこには町がひろがり、多くのプレイヤーとNPCがいた。


「はぁ、こんなに人が多すぎると見つけられそうにないし、とりあえずここから離れようか…」


「お~い、奈月~」


「うわぁ!真白?」


「奈月のキャラまんまだから簡単に見つけられたよ。てゆうか私もほとんど同じだけど」

その言葉通り真白のキャラは、リアルと同じウェーブのかかったセミロングの茶髪で違うところといえば、髪の毛と同じ色になっている目くらいだった。


「あっそうだ。リアルの名前で呼んだらダメじゃん」


「あっ、確かに」


「私は、このゲームではシルクだから」


「よろしく、私はルーンだよ」


「で、な…ルーンはどんな武器にしたの?私は、杖だよ」


「あ、うん。私は、短剣だよ」


「えっ、短剣ってけっこう上級者向けだけど…まぁ私の杖と、バランスは悪くないし、ルーンの運動神経だったら何とかなるのか?」


「えっそんな悪かった?」


「まぁ大丈夫でしょ、ルーンだから」


「本当に?」


「ゲーム経験上の私が言うから間違えないはず…」


「えっ本当に本当に大丈夫なの?」


「あーもういいからはやく森に行こう。今日はリリース日だから人がたくさんいるから先越されるよ。」

シルクが少し不自然に話を反らしたことに気づきつつも、ルーンもはやくいきたかったのでそれに賛同し、2人は森に行くことにした。







少し時間がたち2人は、町を出て森のなかを探索していた。


「はぁ、ここら辺のモンスターはけっこう狩りつくされてるから全然モンスターもいないなぁ」


「シルク、もう少し奥に進む?」


「入り口の辺りがでレベルアップしてから行きたかったけど、しょうがないかぁ~」

この森は奥に入れば高レベルのモンスターとのエンカウント率が上がるため、2人はまず入口付近でレベル上げをしようと計画していたが辺りは先に来たプレイヤーによって狩りつくされていた。


「そーだよね…てっあれ」


「ルーンどうした」


「あれってモンスターじゃない?」

ルーンが指をさしているほうこうには、真っ白な角を持ったウサギがいた。


「ルーン、とりあえずあれ倒すよ」

シルクが言い終わるか終らないかくらいでウサギがこちらに気づき逃げようとルーン達と逆方向に走る。


「ルーンウサギを追いかけて!」


「分かった。シルクは、魔法で…」


「分かってるよ【ファイヤーボール】」

シルクがはなった【ファイヤーボール】は、ウサギに当たり一気にウサギのHPを7割も削り、ウサギ自身はバランスをくずして転けている。


「ナイスシルク、今度は私の番だよ」

そう言っているルーンは、ウサギに追いつき持っている短剣でウサギを突きウサギのHPは、0になった。


「ふぅやっと、一匹だよ」

落ちついた2人の頭の中で"ピロン"と無機質な機械音が鳴った。


『レベルアップ1→3 ステータスポイント0→6』


「おおっ、レベルが一気に2も上がった。あんな小さいウサギ一匹倒しただけなのに」


「おかしい…」


「えっ何が?」


「あのウサギは、一角ウサギっていって、まぁどこにでもいる普通のモンスターなんだけど、いくら私たちのレベルが1だからって一匹でレベルが2も上がるようなモンスターじゃない。」


「へぇーそうなんだってあれ?これ何シルク?」

ルーンが不思議そうにアイテムボックスから、あのウサギの白い角が出てきた。


「あーそれは、ドロップアイテムだよ。多分最後の一撃がルーンの短剣だったからルーンのアイテムボックスに入ってたと思うよ。でも…」


「でも?」


「一角ウサギに角のドロップアイテムは無いんだよね」


「えっじゃあこれなに?」


「分からない。まぁ私の情報もベータ版のやつだし…多分新しく追加されたアイテムだと思うから大丈夫だよ」


「本当に!良かった~」


「まぁ、この件はおいといて、はやく次に行こう」

それにルーンも同意し、2人は森の奥に進むことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る