第2話初ログインとキャラクター作成
10時まであと5分程度になったのを確認し、奈月は自分の部屋に戻った。そして前日に、初期設定を済ませていたVRゴーグルの電源をつけ、頭にしっかりセットし、ゆっくりと目を閉じゲームを開始した。
奈月が目を開けるとそこには、自分の部屋ではなく、電脳空間が広がっていた。
(うわースゴい本当にゲームのなかに入ってるよ)
奈月は、VRが発達しているこの時代でも珍しく、今までこの様な類いのゲームをやったことがなく少し興奮気味にまわりを見渡すと、目の前にピンク色の髪をした顔立ちの整った自分と同世代くらいの女の子がいた。
「はーいこんにちは私はこのFLOの案内人兼アイドルの一ノ瀬真理亜だよー気軽にマリーって呼んでね~」
「は、はい」
「じゃあまずはあなたの名前を教えて」
そうマリーが言うと奈月の前にパネルが現れた。奈月は、名前に関してはもう決めているのですぐにパネルに打ち込んだ。〝ルーン〞それが奈月の決めていたこのゲームでの名前だ。自分の名前に入っている月の英語とラテン語を合わせたもので奈月はこれが気に入っている。
「はーい次は、ルーンちゃんの見た目を決めよ~。ちなみに性別は変えることが出来ないのと身長に関しては現実の成長と同じになるから注意してね~」
少し奈月は考えたが特に今の容姿に不満を持っていなかったためそのままにした。
「じゃあ次にルーンちゃんが使う武器を決めよ~。別に今選んだ武器以外もゲーム中は使えるから気軽に選んでね~」
そうマリーが言うとたくさんの武器が載っている本が出てきてそれぞれのページを触れるとその武器がでてくる仕組みになっていた。そのなかには、ファンタジー系の王道である剣や杖のほかにもモーニングスターや釘バットなどの変わったものまであった。
「あっ、ちなみにお試しでどの武器も体験できるようになっているよ~」
100種類くらいある武器をお試しできるのはありがたいと、奈月は感じたがしかしこちらも名前同様決めていた武器があるのでこのシステムも頼ることはなかった。奈月は、本のページに触れ短剣を取り出した。
「よーしそれじゃあ次が最後だよ~。ステータスポイントを振ってね~」
そうマリーがいうとパネルが現れ100ポイントと、0が並んでいる自分のステータスが表示された。
(う~ん短剣だからやっぱり速度重視かな)
そう思いAGIに多く振りつつ、他も順に振っていった。
「じゃあこれがルーンちゃんのステータスだよ~」
二つ名〈なし〉
ルーン
Lv1
HP35/35
MP40/40
【STR15〈+8〉】
【VIT5】
【AGI50】
【INT10】
【DEX7】
装備
頭【空欄】
体【空欄】
右手【初心者の短剣】
左手【空欄】
足【空欄】
靴【空欄】
装飾品【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【短剣適性Ⅰ】
「これでいいなら確定してね~」
そう言われ奈月は確定ボタンを押した。
「よーしそれじゃあFLOの世界に行くよ~。私、マリーもゲーム内でのお知らせや、イベントのときは登場するからまた今度ね~」
マリーの言葉と同時に、辺りが眩しく光った。
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