第14話 2回目の夢(正夢かもしれない)

 今日の練習も、時間ギリギリまでやった。今までの、練習よりも皆んなの息があって最高の演奏ができた。そろそろ、夜も遅いので、寝ることにした。

 また、私は夢を見た。

 クラスのみんながいて、私達5人が皆んなの前で演奏していた。

 夢の中の私は声を出していた。

 私は、久しぶりに声を出して友達と笑えている。

 私の、妄想なのかもしれないけど本当にこんなことが起きたらいいなと思ってしまった。

・・・

 今日は、学校を休んで献身に来ている。

「いいですね、心も落ち着いているみたいだから。声を出せる日も近いかもしれませんよ」

「本当ですか。よかったね、桜」

「うん」

 本当にあの夢は正夢かもしれないと思ってしまった。というか、正夢であれと今は思っている。また、私も友達と話せることができるのかもしれないと今は喜んだ。

 学校を休んだので、今日の練習はなかったが一人で練習をした。

 なんだろう、今まではみんなが居たからやれたけど、今日は全然身が入らない。やる気ないな。皆んなは今、練習をしているのだろうか、するとメールが来た。

 メールを送ってきたのは、小百合だった。

「もしもし、元気?」

「うん、元気だよ。今何やってんの?」

「今は、一人で練習してたけどなんかつまらなくてそれで、今日学校休んだから大丈夫かなって」

「大丈夫、ただの微熱だった」

「よかった。風じゃなくて、後1週間だからみんなでやばいなって言ってたんだ」

「明日は、行けるし。休みもできるから大丈夫だよ」

 そこから、何回かメールのやり取りをした。

 よし、頑張るぞ。また、練習を再開するとメールがまた来た。今度は、誰だ、画面を見ると菫からだった。

「体調大丈夫?」

「大丈夫、微熱だったから」

「よかった。もし、風邪だったら昨日しかあってないのに、本番大丈夫かなって思ってたんだ」

「うん、風邪じゃないから大丈夫。また明日ね」

「無理せずに、学校に来てね」

「了解です」

 よし、今度こそ練習しますか。電車ピアノに電源を入れるとまた、メールが来た。

「大丈夫、桜ちゃん。風邪ひいた?」

「大丈夫、椿ちゃん。風邪じゃなくて、微熱だから」

「そうなんだ、よかったよ。本番近いってのもあるけど、話相手が今日はいなかったからあまり楽しくなかったんだから」

「ごめん、でも明日は行けると思うから」

「体に気をつけて、来てね。無理だったら、休んでね」

「はい」

 よし、やりますか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る