第9話 この曲に決定
私は、昨日の夜に決めた曲を聴きながら学校に向かっている。いったい、誰の曲が選ばれるのだろう。皆んなはいったいどんな曲を聞くのかがわからない。私のイメージでは、小百合がJpop、椿がアニソン、菫がロックが好きそうだ。
後ろから、名前を呼ばれた。
「おはよう、桜」
小百合だった。
「おはよう、小百合」
「やりたい曲決めた?」
「うん、今自分で決めた曲聴いてた」
「そうなんだ。桜がどんな曲決めたか楽しみ」
そこからは、他愛のない話をしながら学校に向かった。教室に入るともう2人が来ていた。
[遅いよ、2人とも。はやく決めないとホームルーム始まっちゃうじゃん」
「はいはい、ごめんごめん。じゃあ、私から流すね」
小百合が流したのは、私の予想通り最近よくテレビで流れてるJpopだった。恋と失恋が半々で歌われている曲で今高校生で流行っている曲だった。
「これさ、椿が歌うって考えたら合わないよね」
「やっぱり、私もなんか違うなって思いながら選んだ」
たしかに、椿は恋を歌っている曲よりも元気がいい曲の方がいいのかもしれない。最初にいいなって思った曲の方が椿にあってたかな。
「じゃあ、私ね。昔見たアニメの曲」
椿がかけたの、けいおん部を題材にしたアニメの曲だった。私も、友達に勧められて見て一時期ハマった。ギターの子が、可愛くて私もギターやろうと思ったけどバンド組んだ時にセッションできないなって思ってピアノ練習し始めたな。
「たしかに、これは椿に合うね」
「でしょ、私たちでやろうってなった時から決めてたんだ」
私は、桜ちゃんが何を流すのかがきになっている普段何聴いてるんだろ。今の表情見てるとアニメとかも見てそうだ。でも、私みたいにずっぷりハマってるとかじゃなくて暇だから見てる感じだと思う。私のイメージでは、菫みたいにバンドが好きそうだ。
「私は、これかな」
ガールズバンドの曲が流れてきた。東京にいた頃あの子に誘われてライブを見に行ったことがあり客はほぼ女性で服装やメイクを真似した人が多かった。
「これだったら、椿に合うかなって。あと、楽譜見たら意外にもやりやすいそうだった」
「それ大事だね、難しかったらやらないもんね」
「最後に桜の曲だね。何流すの、楽しみ」
何、流すんだろ。これで、思いっきりデスボの曲が流れてきたら驚きだ。でも、歌謡曲流れてきたらそれはそれで驚いてしまう。
「じゃあ流すね」
桜が流したのは、ちょっと前に流行ったバンドの曲だった。確か、ヴォーカルが喉の病気になって声を出さなくなってしまい解散したはずだ。私は、テレビで流れていた曲しか知らないけど明るい曲ってよりも少し暗めの曲が多く辛いことが多くてもまた立ち上がって初めて見ようという曲や学生時代のよくわからない感情を歌う曲が多かった。
「どうかな、この曲」
「私は、いいと思う。でも、桜が最初に言ってたカッコかわいい曲じゃなくてもいいの?」
「それは、思った」
「うん、カッコかわいい曲やりたいって言ってたけど、やっぱこの曲がやりたい」
「じゃあ、やりますか。今日の放課後から練習ね」
曲が決まり、私たちの練習が始まった
しかし、練習しようと思ったけど音楽室や楽器が全部貸し出されていた。予約したら、使えると他の生徒から聞いたので、ホワイトボードの前に行くと予約ができないほど埋まっていた。
「どうする、あくまで待つ」
「いや、待ってたら練習できずに楽器触った瞬間に下校時間になっちゃうよ」
「じゃあ、図書館に併設されてる学習センターの会議室でも借りて練習する?」
「それもいいけど、私達バイトしてないからすぐにお金尽きちゃうね」
確かに、何円するかわからないけどお金が尽きるのはだめな気がする。なんか、ないかな広くて楽器を置ける場所って。そういえば、うちの車庫ならいけるかな。お父さんの車止ままるけど帰ってくるの遅いから邪魔にはならないと思う。
「ねぇ皆んな」
「なんかいい案出てきた?」
「うん、私の家の車庫でやらない?」
「桜の家がいいならいいけど」
「わかった、メールしてくるね」
お母さんに、メールを送ってみると使っても大丈夫とのことだった。
「使ってもいいって。皆んな楽器持ってるんだったら楽器持って集まらない」
『ありがとう』
「じゃあ、楽器持って桜の家に集合」
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