おいしい応援団

 セカンドチョイスが終わった後に叩き込まれるのがこのコーナーだ。


 各メニューの名店を2~3軒ずつ紹介し、それぞれの料理人による渾身のメニューを見せつける。


 それはそれこそ、絵に描いた餅を見せつける行為である。


 ああもう本物を出せよ、本物が食べたいと思わせるあおり行為だ。そのあおりによって視聴者やパネラーを渇望させ、話に引きずり込む。


 引きずり込む事により、話はさらに盛り上がる。文字通りの応援団と言う名の仲間たちの力により、MCやシェフは力を得る。

 実際にはただ並べられているだけなのに、そうして自分たちを「支えてくれている」存在の登場が実に心強く思えて来る。




 そうやって盛り上がった所に、ファイナルプレゼンテーションと言う名の最終決戦が始まる。


 これはもう、単純明快な工程作業だ。とは言え待望のメニュー(平たく見て2時間余りの飢餓状態の果て)であり、その上にMCたちの実況が乗っかる事により期待感はますます高まって行く。


 上げて上げて、目いっぱいに上げる。結末のパターンはある程度見えているが、それでもなお盛り上がるしかなくなる。


 真っ向勝負。少なくとも1人は生まれる敗者。そんな中でもパネラーたちは悲痛なほどに冷静な駆け引きと同時に食欲との戦いを強いられ、そして個人的な好みと言う問題まで挟まって来る。

 そして言うまでもなく弱肉強食と言うか多数決絶対主義の世界であり、他のパネラーたちがどっちを選びそうか読まない訳にも行かなくなる。くどいようだが極限状態でだ。


 だからこそ、最後の一撃は切なくもなる。

 

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