本日の特選素材

 さてそんな状況でスタジオに入った7名(以下7名で統一)に対し、MC2人がそれぞれのメニューを提示する。


 その上でまず、7名はそれぞれの席に動く。


 これによりとりあえずの立ち位置が決まり、ある程度視聴者は理解する。もちろんメニューと言う名の武器を見せて視聴者もああ俺ならこっちだなとか思いを馳せさせる。


 そして次はシェフの紹介、脇役の食材についての簡易な解説と買い出し(これはない場合も多いが)により外堀を埋める。文字通りの軽いジャブだ。



 その上で挟まれる両メニューの簡易なビデオと誘惑を醸し出すナレーションにより、ゆっくりと引き付けて行く。







 その上で叩き込まれるのが、「特選素材」だ。


 お互いのメニューの中心食材、すなわち切り札を見せつける。


 ライトノベルで行けば、それこそお互いの最大の個性であり長所の見せ所だ。

 産地、職人、こだわり、仕事人による試食(これはない事も多い)を経てじっくりとその個性を叩き込ませる。


 さらにパネラーたちへ試食としてほんのわずかだけ渡す事で、完成形を想起させながらも飢餓感を煽る。


 ひとつでも素晴らしいけど、全部集まったらどうなるのか。視聴者にもパネラーにもいかんなく思い知らさせる。




 もちろんこれがこの後行われるセカンドチョイス、つまり最終戦前の席決めにおいて大きな意味合いを持つ事は言うまでもない。この時点での各人の立ち位置を決めさせ、ある意味崖から突き落としたとも言えるタイミングがここなのである。




 ————なお、事ここに至ってはファーストチョイスはあまり気にされなくなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る