冬の目眩

につき

まだだれも知らない何か

ほろほろ

ことこと

ほぐした糸を冷たく晒した

まっしろな光の雫


静かな光りの向こうから

呼びかけてくる何かがある

これは大きさでなくて

色彩の豊かさ

白と黒の紡ぐ無限の広がり


解き放たれて

広がっていく青空

そして湛える湖水の輝き

音もなく生まれて消えていく

空と雲と風の織り成す漣

見えない手の寄せてくる波


吸い込まれた耳を

呼び寄せられた目を

受け止めている広さ

きっと呼べば応えてくれる

いつも生まれ続けている

まだだれも知らない何か

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