第2話 急な出来事
学食でいつも食べているカツカレーを頼み、大勢の生徒たちで賑わう中を通り抜け、一番隅のテーブルに腰掛けた。いつも俺がここに座っているせいか誰もここに座ろうとしない。別に寂しいなんて思ってない。むしろ、好きなラノベやアニメに囲まれて、勉強もそこそこやっている。
10分ほどでカレー食べ終わり、教室へと向かった。入った瞬間に美桜が俺に気付き、睨んでくる。怖い…昔から地震、雷、火事、親父、と言うが俺の場合それは地震、雷、火事、美桜だ。うちの親父なんかよりよっぽど怖い。
でもいくらオタクがキモいからってなんでそこまでに俺を嫌っているのだ?窓側の一番後ろにある自分の席につきながらそんな事を考えていた。ちなみに美桜はクラスでは真ん中くらいに席がある。怖くって見れないけど。
小さい頃は今みたいに常に無表情で周りからはクールな子だね、と言われていたが俺と一緒にいる時はよく笑顔も見せてたし、よく喋る子でもあった。何より他に友達がいなかったために常に俺にべったりだった。なのに今は…
そんな感じでビクビクしながら授業を終え、下校時間になった。俺はすぐに帰ろうとカバンを整理してたら、美桜がこっちに向かって来ていた。なんで?俺なんかしたっけ?今ラノベは手に持ってないよ?
「祥太郎。君、今日はどうせ家にいるんでしょう?」
まるで問いただすように美桜が聞いてきた。
「い、いや、この後、ちょっと寄り道するかも…」
「またラノベ買いに行くの?」
「う、うん。ど、どうしてそんな事聞くの、春崎?」
「別に」
そう言い残し、美桜は行ってしまった。本当に怖いよ…尋問された気分だ。中学から疎遠だったのと彼女のとてつもないオーラのせいで呼び方も名字になってしまった。昔は『みーちゃん』なんて呼んでたのに…
それはさておき、何故彼女はあんな事を聞いてきたのだ?家は近所だが中学からはお互いに家に行かなくなった。それに普段、学校ではすれ違ったら『キモい』って言われるだけでそれ以外で美桜が俺に話しかけた事はない。
幸いクラスの奴は少なかったし、今のうちに逃げよう。俺はダッシュでアニメショップに向かった。
お目当てのラノベ『誰もそばにいない?お姉さんがいるじゃない、甘えたっていいんだよ?♡』を買い、家に戻る事にした。
大好きなラノベを買った事でテンションが上がり、そして、早く読みたいために少し駆け足で家に着いた。
玄関を開けると、俺は見慣れない3足の靴がある事に気づいた。一つは男用で、もう二つは女性用だった。しかも片方は女子高生がよく履いているローファーだった。
その靴で俺は気付いていれば良かった。この先のリビングで誰がいるかと。
こんな時間にお客さんか?なんて思いながらリビングを覗く。
「あら、祥太郎おかえり。あなたも入って」
リビングのドアから見えるソファーから母親に見つかり、呼ばれた。母親の向かいにあるソファーに来客が座っているらしいが後ろ姿しか見えない。
とりあえず、俺もリビングに入った。すると、向かいのソファーの一番隅に座っていた男性が俺を見て、言った。
「おー祥太郎くんじゃないか!大きくなったな!」
「本当だわ。お久しぶり、祥太郎くん」
「…」
「おじさん!?おばさん!?そ、それに…」
美桜。
そう、そこには美桜のお父さんとお母さん、それに美桜までいる。
「な、なんで急にうちに?」
俺の問いに答えてくれたにはおじさんだった。
「そう。それなんだか…」
一瞬美桜を見て、すぐに俺の方を見て続けた。
「君の両親にはもう話したのだが。僕と母さんは仕事都合上、海外に行かなくなってなぁ、しばらくの間、美桜を君たちの家に住まわせてもらう事になったのだよ」
「は?」
**ここからは後書きです**
こんにちは、こんばんは、青空零です〜
今回も「学校ではオタクキモいって言ってくるクーデレ幼馴染が家でもキモいって言うけど、その分、デレた時は宇宙一可愛いです」ご愛読ありがとうございます。
新しいシリーズなので是非、是非、コメントとかフォローよろしくお願いたします。
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