太宰さん集

シエル

情報屋

「新入社員の太宰治です。前職は情報屋をしてました。よろしくお願いしま す。」


新しい社員がやってきた。敦は嬉しそうにそちらを見ている。まあ、初めての

後輩だからな。


 「初めまして!僕の名前は・・・「中島敦さん・・・ですよね?」え?

なんで知って・・・」


 「社長に資料を貰ってたんです。それに、情報屋だったので・・・」

 

 「なるほど・・・すごいね!じゃあ、他の人も・・・」


 「ええ。」


そう言って敦は、太宰と談笑している。


 「じゃなくて、社長!!どういうことですか!!」


 「なにがだ。国木田。」


 「新入社員が来るなんて、聞いてませんよ!!」


 「アタシも聞いてないね。」


 「今回は乱歩と、教育係の敦と谷崎にしか言ってない。

何か問題があるのか?」


 「いえ。なにも。しかしなんで今回、新入社員を?」


敦が入社したことで探偵社は人手が足りている。なのになぜ?


 「太宰は異能力者だ。強力な異能を持っている。」


その時、社員が社長の話に聞き耳を立てた。


 「それは、どんな異能でしょうか。」


 「それは実際に本人に使用してもらえばわかる。太宰、来なさい。」


は~い、と言って太宰がこちらに来た。みんながうずうずしている。


 「国木田、異能力を発動しろ。」


とっさのことでびっくりしたが、すぐに発動させた。


 「異能力、独歩吟k・・・


その時だった。


 「異能力、人間失格」


風が吹いた。目の錯覚かもしれないが、青色の風が吹いた。

そして、俺の手元には・・・


 「無い・・・」


 「え?」


異能力で発動させたはずの催涙弾がないのだ。


 「分かったと思うが、太宰の異能は、触れたものの能力の無効果だ。つまり・・・「異能力無効果だね。」


乱歩さんが言った。ソフトクリームをペロッと舐めながら。


 「そんな異能力者を社長が放っておくわけがない・・・でしょ?」


 「そうだ。ただな・・・。」



 太宰は戦闘ができない。



そう言われた。


 「え?なぜですか?」


 「太宰は体術が得意ではないのだ。」


 「じゃあ・・・」


敦が言った。


 「依頼が来たときは、みんなで太宰君を守ればいいじゃないですか!」


ねっ!!と、敦が言ったので、みながそれに賛成した。


社長も、「太宰は極力出さないが、そうなったときは頼んだ。」と、

いっていた。





~数ヵ月後~





 「みな聞け」


社員一同が社長のほうを向いた。


 「近頃、ポートマフィアの武器庫がねらわれているそうだ。」


 「は!?」


太宰が叫んだ。


 「あ、すいません。」


 「続ける。それにあたって、武装探偵社にも、武器庫の護衛をしてほしいとの

依頼が来た。」


 「だれからですか?」


 「森鴎外殿からだ。」


 「「「「「「は!?」」」」」」


社員ほとんどの声がそろった。


 「そんなの放っておけばいいんじゃ・・・」


 「そうはいかないよ。」


太宰が言った。


 「どうして?」


 「ポートマフィアの武器庫は、やばい武器や、爆発するとやばい火薬が

たんまりはいってて、それが爆発すると・・・」


 「すると・・・」


 「ヨコハマが吹っ飛びます。」


 「ええ!!って、なんでそんなこと太宰君が知ってるの?」


 「元情報屋ですよ?有名な話ですよ。」


 「じゃあ、太宰君この話知ってるんじゃない?」


 「どんな?」


 「武器庫の猫って話。」


 「あぁーーー。知ってますよ。」


 「あの、芥川と同期らしいんですよ。」


 「そうなんですねーーー。」


 「そいつは、吸血鬼らしくて、敵の血を飲んで、身体強化をして

敵をボッコボコにするらしいよ。」


 「そうなんですねーーー。」


 「なんで乱歩さん笑いをこらえているんですか?」


 「なっwなんでもっwないw」


 「乱歩さん???」


 「ゴメンナサイ」


太宰が乱歩さんに圧をかけている。


 「それでは、全員参加か?」


 「「「「「「はい!!」」」」」」


 「今回は太宰にも向かってもらう。」


 「え?大丈夫なんですか?」


 「今回は太宰がいないと解決できん。」


 「そんな大変な仕事なんですか?」


 「まあ、そうだな。」


 「(え~ やだな~)」


 「がんばりましょうね!!」


 賢治が元気な声で言った。


 「そうですね!!」


敦もそれに返事した。


 「「がんばろ~~!!」」


 「「「「お、おぉーー」」」」



~~出発前~~


 「大丈夫だよ~」


 「でもなぁ~」


なんの話だ?


 「アイツのことだし・・・」


 「何かあったら言うから。ね?」


 「!!しょうがないな~ もう。」


 「やった!!」


 「かわい・・・」


 「? 何か言った?」


 「なんでもない。ほら、いってらっしゃい。敦、いるんだろ。」


 「はいっ!!」


 「太宰と一緒に行ってやれ。」


 「わかりました!いこうか。」


 「はいっ!」


太宰君は にこっ! と、はにかんだ。



~~到着後~~


 「これはひどい・・・。」


どこをみても、倒れている人の山が見える。


 「敵がまだいるかもしれん。気をつけながら進め。敦は太宰を守れ。」


 「わかりました。」




 「あ~~!!!」




 「「「「「「!?」」」」」」


 「だれだ!」


 「太宰さ~ん!!」


ヒュウ


ギュウ


 「会いたかったよ~~!」


 「待って!!ルフ!!離して!!!」


 「え~~。なんで~~。」


_______________ルフ・アクター

       異能力   「吸血猫」


 「だれだ!」


 「は?こっちのセリフなんだけど。僕の太宰さんなんだけど。」


 「ていうか、太宰さん!なんで急にいなくなるのさ!!」


 「え?森さんから聞いてない?」


 「うん。芥川とか中也さんとか、会ったら覚悟が必要だよ。」


 「うわ~。最悪。」


 「芥川!?」


 「あ、噂の人虎君。」


 「どういうことだ!太宰!!」


 「太宰さーん 血、頂戴よ~」


 「先週あげたでしょ!!」


 「う~ 乱歩さ~ん」


 「はいは~い」


 「「「「「「!?」」」」」」


 「なぜ乱歩さんが!?」


 「いや~。やっぱ、太宰が心配で。」


 「ていうか、ルフ!!太宰いじめるなと何度言ったら・・・」


 「太宰さんが僕に甘いんだよ~。」


 

 「だ~ざ~い~!!」



 「げっ!!」


 「「「「「「中原中也!!」」」」」」


 「何の用だ!!」


 「業務をしない幹部を叱りに。」


 「「「「「「幹部!?」」」」」」


 「さて、そろそろかな。」


 「なにがだ?」


 「探偵社諸君、伏せて。」


太宰に言われるがまま、全員が伏せる。


   ___________その時


ドドドドドドッ!!!


銃声が倉庫中に響き渡った。


振り返ると…


銃を持った男たちが、血を流し、倒れていた。


 「まぁた倉庫を襲いに来た命知らずが殺されましたね。」


 「【太宰治の敵の不幸は太宰治の敵になったこと。】、それを承知で来たんでしょう。」


ゴホゴホ、と、咳をしながらやってきたのは…


 「芥川・・・」


 「任務ご苦労様。ちゃんとできた?」


 「はい。ご褒美ください。」


 「いいよ~。おいで。



 よしよし~」


あくたがわのライフはもうゼロだ!!


 「え~ ずるい~僕もして~」


 「はいはい」



~ ~ ~ ~ ~ ~


 「では、改めまして、


   ポートマフィア 五大幹部 太宰治です。


よろしくね。」







さくしゃはちからつきてしまった!!






















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

太宰さん集 シエル @sieru_sieru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ