第15話 川
麻由美の流れてきた川に沿って探り、この町に辿り着いた。
それほど大きな川では無いが、あの頃、、
確かゲリラ豪雨があったのだ。
バケツをひっくり返したような雨は一気に水かさを増す。
その頃にドボンと、、。
「美眺橋かぁ…」
そしてこの橋を見つけたのだ。
この橋からかもしれんな。
と、すると。
ヤツは何故この現場の近くにまた現れたのだろうか。
いつの間にか引っ越していたヤツの所在を確認すると、移転先が見つからなかった。
住所不定無職になったヤツは…。
どこか山のふもとの、、空き家にでも身を潜めてほぼ自給自足で生活しているのかもしれない。
俺達の読みが当たっているだろうか…。
俺と組んで捜査をしている松岡は、店に自転車で来ていたというぼーさんの影を住宅地の空き家をのぞきながら探していた。
そしてとうとう、見つけ出したのだ。
「岡田さん、空き家に自転車。山のふもと。岡田さんの読みが当たりましたよ」
「で、ヤツは?」
「それが、、ヤツの姿は見えないんです」
「家の中には?」
「わからない… 物音はしないが、、気配がないわけでも無い という感じです」
「家の所有者は?」
「それがですね、、所有者名は分かったんですが、その人の所在が不明でして…。まあ、、空き家と言っても廃屋に近い状態ですからね。所有者も亡くなっている可能性も…」
「ああ、あるな。最近よく聞く話だな」
さて。どうしたもんか。
「まっつぁん、ところで、何故そこにヤツがいるとわかる? 刑事の勘か?」
「ヤダな、ダーさん。この間、言ってたじゃないですか、自分に似てるヤツがいる。ぼーさんって呼ばれてる って。近所で聞き込みをしたら、お坊さんのような雰囲気の人が、あの空き家に住んでいると。電気も水もないところで修行してんじゃないかなーって話しなんですよ」
「…間違いないな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます