第1話 その2

「あの、どこ行くんですか!?」


「うるさい。もう少しで着くから」




腕を強引ごういんつかまれながら廊下ろうかを歩く。


「あと、いい加減に離してくださいよっ...」


「断る。だってお前、逃げそうだし」


逃げませんて。

というか仮に逃げても逃げきれませんって。


そんな事を考えていると、




「ほら、ここだ。」




ここは.....




放送室.......?




「うお...」

初めて入った。

放送室ってこんな感じだったのか...


とびらを開け奥に進むと

放送機材や棚があり、その手前には机や椅子いすが置いてある。

どうやら放送委員の人達はここで昼食を取りつつ放送をするらしい。


部屋に入るなり

「椅子に座って静かに待ってろー」

と言われたので大人しく手前の椅子に座る。

すると担任は機材を弄りだし、マイクに向けて


『3年6組、椚瀬くぬぎせ 絢天あやてさん。至急放送室までお越しください。』


と言った。

椚瀬 絢天....?

......誰だろう。名前が名前だから男子なのか女子なのか分からない。

最近は女の子っぽい名前の男子とか、逆に男の子っぽい名前の女子も多い。

まぁ、でも。俺はただ、


誰かは分からんが男子でありますように、男子でありますように...!


と祈るしかない。

フラグっぽい?

いいや、そんな事ない。


俺は神様を信じるぜ!


男子でありますように、男子でありますように...


と、その時。

____がちゃっ。

ドアが開き、誰かが入ってきた。

おそらく放送で呼ばれていた「椚瀬」という人だろう。


男子でありますように。男子でありますように....!


「おー、椚瀬。早いじゃないか」


男子でありますように。男子で...


菅沢すがさわ先生。こんな所に呼び出して、一体何の用ですか。生憎あいにくですがいそがしいので聞く価値のないものなら帰りますが。」




はい。

俺、神様とか信じるのやめます...

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一体これはラブコメと言えるのだろうか?(仮) 海水すい @taikyaku0608

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