第1話:「特別授業の後の感想文は本当にいらないと思う」
7月8日。
クーラーのよく効いた職員室で、
俺はクラスの担任である
頭を抱えているのを見つめていた。
現在は放課後。
部活中であるバスケ部の叫び声が聴こえる。
そんな中、
「
「あ、はい。そうですけど...」
俺はなぜか呼び出されている。
先生の目線は、
「第一回進路学習」終了後にて書かされた感想文にある。
確かその時は
感想文には
「俺を勉強のできる男に
してくれる人が現れますように」
みたいなことだけを
というか書いた。
「お前、俺はお前がここまでやべー奴とは思わなかったぞ...」
「は、はあ」
確かに今思えば結構やばい内容をしているような気がする。
「あのな家尾谷、よく聞け。もうすぐ夏休みだ。夏休み中にはほとんどの同級生が本気を出す。
お前もそれに追いつき、いや、
追い越す必要があるんだ。
そんな中でお前、感想がこれなのは
どうかと思うんだが?
受験は団体戦でありながら、
個人戦でもある。
この時期に人を頼ろうとしても
同級生は誰も助けてくれないぞ」
やっぱりか。
誰も俺の現状を理解してくれないんだ...
「...分かってんだよ。でも無理なんだよ....」
「何か文句でもあんのか。
なんだ、言ってみろ。」
「俺の成績って、はっきり言って下の下ですよね」
「だからなんだ。努力不足だろ?」
「...この成績は、自分で頑張って
....チャレンジした結果、なんです。
俺はやっても出来ない。
それが証明できてしまったから、もう他人に頼る以外には方法がないんですよ。」
これを言いきった瞬間
俺は泣いていたと思う。
俺は実際に勉強を頑張って、でも結果がついて来なかった。
俺には才能がないと諦めたんだ。
すると担任は数秒間ほど
「じゃあ、ちょっと来い。」
ん?
....えっ。
俺の腕を強引に
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