沈み揺れる音

雨が降っていた訳じゃなかった

なのに

僕の両眼からはポロポロ、ポロポロと溢れ

操り師を失い動けない僕の腕に落ちて行く


僕が壊れたのかな?

僕が失敗作だったのかな?

僕は要らない人形…?


そんな言葉が与えられた心の中でぐるぐるグルグル渦巻いて

もしも動けたならば僕を完全に壊せたのにそう思い始めた時


「ゴミを捨てに来ただけなのにとても良い玩具を見つけたみたいですね、私は」と

少し老けた私腹を肥やした商人のような声が聞こえた

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壊れかけの歌唱人形と人形使い 葉月 涼 @kiminokoe

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