かなぶん

一日の仕事を終え、布団の上に疲れた足を伸ばしていると、開いていた窓からかなぶんが飛び込んできた。


部屋の明かりに目が眩んだんだろう。


彼はパニックを起こししばらく壁の四辺にぶつかっていたが、やがて元の窓から飛んでいった。


暗い空へ。


いつしか俺はかなぶんになって、暗い空から京都の町を見下ろしていた。


肩を切る風、わずかな冷気。

そして不安、そして期待。

全てが俺のものだった。


やがて地に落ち、たった一人で迎える死も。

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