第9話 事件
事件が起きた。
施設の中で、聖女候補ミクリの持ち物が盗まれたり、壊されたらしい。
ミクリはとても優秀だったので、誰かがその才能を妬んで嫌がらせしているのだろうと噂になっていた。
皆、疑心暗鬼になって、不安がっている。
その中で、目撃証言から私が犯人候補として名前が挙がったらしい。
物がなくなった場所に私がうろついていた。
壊れた物が置いてあった場所で、私を見た。
そんな話があがってきた。
まったくの濡れ衣だった。
「カチュアが犯人らしいよ」
「本当に? 大人しそうな子なのに。人は見かけによらないのね」
確かにその場にいたかもしれないけれど、たからといって私がやったという証拠にはならない。
けれどそれは同時に、潔白を証明する方法もないという事でもあった。
私は、ひどく落ち込んだ。
一生懸命やってきたのに、何のために頑張ってきたのだろう、そう自問自答するばかりだった。
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