第7話 主人公のミクリ



 外に出るとき、同じような境遇の少女ミクリと出会った。


 彼女には特別なカリスマがあった。


 彼女が笑えば、誰もがその笑顔に目を奪われる。


 彼女が涙をこぼせば、誰もがその肩を抱いて慰めたくなる。


 そんな人だった。


 彼女は様々な人に惜しみなく、手を差し伸べていった。


 私とそう境遇が変わらないはずなのに。


 どうしてそんなに前を向いていられるのだろう。


 不思議だった。

 そう思うと同時に、劣等感が刺激された。


 私は彼女のように強くは在れないから。


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