第5話 前世と違うところ



 施設に入れられて数日後。

 日課の勉強や修行について、大まかなスケジュールを把握したころ。嬉しい事があった。


 アスクが、窓の隙間に手紙を挟んでくれたのだ。


『カチュア、がんばれ! 毎日、手紙、かくぞ!』


 つたない筆跡で、読みずらい文面だった。


 彼もこの近くに来ているらしい。

 

 一体どうやってここに来たのか、今はどうしているのか気になるけれど、たくさんの元気をもらった。


 アスクから手紙をもらった。たったそれだけの事なのに。凍てつこうとしていた心に、幸せな気持ちがよみがえってくる。


 過去の事なんて忘れて、頑張っていこうと思えた。


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