Rolling rocks, morning falls on you

 ザザッ……

 ザザッ……

 


「あ、あーテステス。オッケー?あーあーあー」


「よーし、大丈夫そうだな。じゃあ早速今日も初めていきますよーっと」


「まずは最初に本日のお供の紹介だー。今日はこれ、マルボロブラックメンソールちゃんだぜー」


「これ結構メンソールキツイんだけど、うめーからお勧めだぜ。今までメンソールってだけで食わず嫌い……食わず嫌い?いや、この場合は吸わず嫌いかな?まぁなんでもいいや、避けてたんだけど吸ってみると案外ウマくてさ。びっくりしちゃったね」


「そうそう、マルボロと言えばなんかパッケージのデザインについて色々と都市伝説が囁かれてますねー」


「まぁこの場で解説するようなことでもないんで、気になる人は各自調べてく―ださい」


「んじゃまぁ時間もそんなにないんで、まずは今日の報告からいきましょー」


「あ、今どうせ報告ったっていつも通りなんもないで終わると思ったでしょ?」


「ところがどっこい今日は違うんだなそれが」


「なんと本日、アンテナを新調しましたー」


「これで今後は感度良好バリ3ってわけだ」


「まぁそれ以外に変化は特にないんだけどね」


「だってしょーがねーじゃん?実際変化なんてないんだもん」


「そりゃあ毎日色んなことが起きてさ、色んな変化があったら報告もそれはそれは楽しくなるんだろうけど、ないんだもん」


「っとと、ごめんごめん。愚痴っぽくなっちゃったね」


「じゃあ次の話題に入る前にっと……ちょっと失礼」


「ふー……ああ、ごめんね。新しい煙草に火をつけてたよ。えーとなんだっけな。ああ、そうだ次の話題だね」


「次はお便りでも読もうかな。丁度ここにお便りボックスを持ってきているんだ。もう1週間は開けてないからね、相当溜まってるんじゃないかと期待してるよ」


「さてさて、早速開けてみようじゃないか……ん?あっはっは!これは傑作だ!空っぽだったよ!0枚だ!今日も0枚だったよ!」


「いやぁ、流石に1週間も放置してたら何通かは来てるかと思ったんだけどねぇ、皆案外薄情者だね」


「ま、今まで一度もお便りなんて届いたことがないから知ってたんだけどね」


「どうしよっかなこれ。もう捨てちゃおうか。でもなぁ……もしかしたら明日はお便りが入ってるかもしれないしなぁ……」


「うん!置いとこう!次に見るのはまた暫く時間を空けてからになるけど、皆じゃんじゃん送ってね!」


「じゃあ気を取り直して次行こう!……の前にちょっと失礼」


「ふー……、やっぱおいしいわこれ」


「さ!次はお悩み相談のコーナーだ!このコーナーは、これを聞いてる皆から集まった悩みを聞いて、解決に導くという凄くシンプルなコーナーだよ。じゃあ早速読んでいこう!」


「時間に限りがあるから全部の悩みには乗れないけど許してね。さぁ今日はこの方の悩みを聞いていこう!」


「今日の迷える子羊さんはこの方!僕だよー!」


「えーと、なになに……毎日毎日一人ぼっちで寂しいです。電波に乗った僕の声を聴いている人はいるのでしょうか。きっといないと思います。僕がどれだけアンテナを伸ばしても、誰の心にも届かない。もうやめた方がいいのでしょうか」


「ん-、これは結構複雑なお悩みだねー。そんな貴方に僕から一つアドバイス!今はまだ誰にも届かないかもしれない。でもいつかきっと、誰かの心に届く日が来ると思うよ。それがいつになるかは分からないけど、君の努力は無駄にはならない。そしたら今度は君のアンテナが誰かの電波を捉えるんだ。だから諦めずに続けよう!」


「あ、ごめん。なんか偉そうになっちゃったね。まぁでも悩みなんてもんは結局自分で解決するしかないよね!僕は相談に乗って、励ましたりアドバイスをすることは出来るけど、最終的には本人が頑張って解決するしかないんだよ」


「ん?じゃあこのコーナーって色々矛盾してる事になるのかな?」


「まぁいいさ!人間なんて矛盾だらけなんだ、構いはしないよ」


「さぁ、僕が僕の相談に乗ったところで、今日も残念ながらお別れの時間がやってきちゃったね。煙草の方もいい感じに短くなったところで今日はここでお終い!じゃあね!バイバイ!」


 ザザッ……

 ザッ……ザザッ……


 ザー……


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