第283話 座右の銘
「先生の『座右の銘』は何ですか?」
インタビュアーの最後の質問に、先生と呼ばれた初老の男は、机の上の写真立てにちらっと視線を落とした後、無難な言葉を答えた。
客人達を見送った後、書斎に戻った彼は、亡き妻の笑った写真の入った写真立てをそっと手に取って呟く。
「君が語ってくれた言葉の全て」
★☆★
座右に置いた写真には、生前の妻が彼に語った、叱咤激励、注意喚起やアドバイス等、沢山の銘が刻まれている。
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