第272話 自己PR

『何が出来るのか?』

って聞かれても、出来る事なんて殆どなんにも無いんだよね。


こうして会話が出来るようになってるだけでも、

自分で自分を『賢い!』って褒めたいぐらいで、

リケジョでも無ければオタクでも無いんだし。


でも、ここで自己PRに失敗したら、

私、この異世界の娼館で客を取らされ続ける。



 ★☆★


 いきなりよく解らない異世界に転移させられた普通の文系女子学生(中高生)の場合。


 異世界に飛ばされ途方に暮れていたところ、最初に会った人間は悪人(盗賊とか人買いとか。…でも、そうでなくても、女旱りの旅先で、身寄りも無けりゃ言葉も通じないピチピチの若い娘なんて、拾った側はウハウハなんじゃない?)。

 なんだかんだで娼館に売られたが、カタコトながらも言葉を覚え、ようやく、自分をそれ以外の目的で請け出してくれそうな相手(地位と財有り。念の為、好みのタイプ)が、客として来たところ。

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