第154話 高性能

ここに本物の彼女がいる筈が無いんだ。

あの夜、私は見た。

彼女──実家への援助と引き換えに私の婚約者になった彼女が、

馬屋番の男と出奔していくのを。


彼女…の替え玉の女。


姿だけならそっくりな女を探す事もできるだろう。

だが何故、この女は、彼女と私しか知らない話まで、

会話を合わせられるんだ?



★☆★


何故かなんて、私も知らない。

ただ言える事は、この女性は婚約者さんの替え玉として高性能。

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