第8話 雪の花は暖かく水を包む
六花はすぐに状況を理解した。そして無言で湊を強く抱きしめた。湊は少し驚いたようだがすぐに体をゆだねた。湊はずっと蒼汰が亡くなってしまったのが自分のせいだと感じていた。自分がいたら蒼汰を救えたんではないかと、何度も何度も思い詰めては海辺で叫んだのだ。もちろん高校になんて行かずにだ。
「ありがとう。話してくれて。辛かったでしょ?悲しかったでしょ?」今度は六花が涙を零す。「なんで六花さんが泣くんですか?」と湊が言うと「あなたの隠れたやさしさが見えたからなの」と六花が言う。「自分の過失を人に押し付けた僕のどこに優しさなんかあるんですか?」「違うよ湊、後悔して泣けることに彼への愛と優しさがあるんだよ」六花はすぐに言った。続けて、「さぁ、だいぶ夜も更けてきたから、お風呂に入って寝なさい」と。——
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