第12話 勝沼酒造CMその2

私は旅する異邦人、ジェームズ。


(脳内配役テレンス・スタンプ)




ここは大正元年の富士屋ホテルレストラン。




一番奥のテーブルでウェイターに注文する銀髪に銀の瞳の女性一人と青年二人は…




ドメイヌ。


カミーユ。


ティオリエ。




というパリの実業家。




なーんてのは世を忍ぶ仮の姿で、その正体は、




2億年前の銀河から来た異星人、高天原族の




宮中女官長ウズメ


ツクヨミ王子


天孫ニニギ




なのである。




ツクヨミ


「あー、ひと仕事した後だから鶏肉のローストとサラダと白ワイン。シルブプレ(お願いします)」




ウズメ


「王子ったら健康志向ー。私はビフテキとパンと赤ワイン。シルブプレ」




ニニギ


「ウズメ、大叔父上…これCMだってこと忘れてるでしょ?一番大仕事したのは僕なのになあーじゃ、シーフードマリネと『あれ』をシルブプレ」




ウェイター


「あ…あれでございますか?少々お待ちを」




ウェイター、ギャルソンエプロンを取ってピアノを弾き始める。




ウズメ、立ち上がって歌い出す。




おお我が人生


作詞作曲 シャルル・アズナブール




オ・トワ・ラヴィ 




真心こめて




愛し合える恋人もなくて




ただ過ぎていく日を




悲しみ込めて




見送るだけ




オ・トワ・ラヴィ




もし明日を




暗い朝が 訪れた時は




ただ寂しい その日を




苦しくても 耐えていこう




いつの日か 小さくても




薫り高く 素晴らしい夢を




見つけたときは




この両手に しっかり抱いて




ラヴィ




雨の朝も 嵐の夜も




命の限り




もし苦しいときは 青く晴れた




空を想い耐えていこう




それが人生




ラヴィ ラヴィ ラヴィ




ウズメ 


「ラヴィ〜♪🎤」






レストラン内拍手喝采。








ツクヨミ


「よっ、さすがは音楽の女神っ!


ちなみにこの曲は金子由香利さんの銀巴里ってアルバムに収録されてます」




ニニギ


「ハイそうです。漫画『バキ』でドリアンが歌ってた曲です(*^_^*)」




ナレーション




何かをやり遂げた感の自分へのご褒美に、




勝沼酒造紅玉ロゼワイン




シルブプレ。



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