第4話「文字の会話」

京子「やっぱり公安だと思う?」


帝都「おそらく当たっていると思います教授」


京子「これからどうする?」


帝都「あの刑事達は僕を探し出すでしょう、でもそれはいいんです」


京子「問題は私の方ね」


帝都「ええ僕の方はもう問題ないです、どうとでもなるしどうしょうもない……それよりしばらく飛行機には乗らないで下さい」


京子「何があるの?」


帝都「沢山落ちます」


京子「具体的にお願い」



【タイトル】

無人機は人の想いのままに……


【作】

ラプラス+ノベリスト


 ある晴れた空、空港は世界に蔓延したウイルスの影響から立ち直り始めた、しかし人間の悪意もそれと共によみがえりつつあった。


オタクA「新型のラジコン用エンジンのウワサ知ってるか?」


オタクB「セブンスモーター社の小型ジェットエンジンだろ?」


オタクC「そうそう、それがあればラジコン飛行機を音速で飛ばせるらしい」


オタクD「マジか! スゲーな!!」


 それは航空ラジコンマニアのたわいない会話だった、しかし音速で飛ぶ飛行機が簡単に手に入る意味をもっとメーカーは考慮するべきだった。


 そしてある日、日本時間の深夜世界に衝撃が走る、それは選挙があろうとどんな緊急のニュースがあろうと変わらずにアニメを放送していたテレビ局ですら臨時ニュース番組を放送したほどの衝撃だのニュースだった。


ニュースキャスター「繰り返します、世界各地でラジコン飛行機が民間旅客機に衝突すると言う事件が発生しました、少なくともアメリカ、イギリス、フランス、ドイツで確認されておりオーストラリアでも旅客機の墜落が確認されているため同じくラジコン飛行機の衝突だと疑われます」


コメンテーター「おそらくこれは無差別テロと言えるでしょう、旅客機に衝突したラジコン飛行機は複数機と証言もあります、これではパイロットも避けきれない……」


ニュースキャスター「しかしラジコン飛行機をそんなに遠くまで飛ばせるものなんですか?」


コメンテーター「おそらくですが、自動誘導だったと思われます、旅客機のジェットエンジンの熱を赤外線カメラでとらえ、そこに向かう様に簡単なプログラムを仕込んでおいた機体でしょう、空港近くの低空で衝突していますから旅客機に接近するまでは無線誘導だったかもしれません」


ニュースキャスター「確かに全ての旅客機が空港付近で墜落しています」


コメンテーター「そう考えるなら可能性があるのはセブンスモーター社の」


ニュースキャスター「すいません映像が入りました、この映像は空港近くで航空マニアの方がとられた映像です、ショッキングなシーンを含みます、ご覧になる方はご注意ください」


 その映像には旅客機の翼に吊り下げられた二つのジェットエンジンに後方から次々と吸い込まれ入って行く小さなラジコン飛行機のような物体が八機も映ってっていた。


〈了〉



京子「……こんな事が?」


帝都「可能性の問題です、でも地下鉄ガソリンテロは予見出来、偶然ですが回避出来ました」


京子「帝都君は姿を消したけどね」


帝都「どうします教授?」


京子「どうするとは?」


帝都「このまま研究を手放すという手もありますが……」


京子「いいえ、今手放してはダメ、この先の未来に希望が見えないの、もっと安全で良い未来を探さないと……」


帝都「しかし教授、今なら大学を辞職する未来で済みます」


京子「ダメよ、それじゃ貴方は何の為に生まれたの? 帝都君が、貴方がここに来た意味は?」


帝都「僕はきっと教授と出会う為に生まれて……そしてここに来たんだと思います」


京子「……フフ、まるで何時かの愛のk




「まるで何時かの愛の告白の再現ね……貴方はまた私を口説くの? 帝都」

 栗栖川京子は仲川帝都の台詞を計算し表示していたウサギのシールが張られたノートパソコンを閉じた。



「小説制作AIラプラス+ノベリストか」



 研究棟に彼はいない…………。

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