第184話 再びハーシェ村へ
【お知らせ】
第6回カクヨムコン特別賞&ComicWalker漫画賞受賞
「絶対無敵の解錠士」
《レーベル》スニーカー文庫
《イラスト》UGUME先生
《発売日》いよいよ今週29日(金)!
書籍版でしか読めないオリジナルエピソードもあります!
現在予約受付中!
よろしくお願いいたします。
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ドン・ガーネスとの決着。
それはバッシュさんやマルクスさんも口にしていた。
あの人たちも因縁があるだろうし、何より……マシロを含め、多くの人々がヤツの被害に遭っている。
それは日に日に増しているようで、リン曰く、多くの冒険者が泣き寝入りの状態らしかった。
さらに、カタルスキーさんが乗り込もうとしているガーネス・シティは、まさにヤツの本拠地。ドン・ガーネスの息がかかった者たちで溢れかえっているという。
冒険者の実績としてはリカルドさんにも劣らないというカタルスキーさんだが、さすがに環境が悪すぎる。
とにかく、カタルスキーさんがガーネス・シティに到着する前に、なんとしても止めないと。
◇◇◇
急遽風のダンジョンを出た俺たちは、カタルスキーさんたちを追いかける――が、普通に追っても間に合わないため、ここでも竜の瞳を使うことに。
「カタルスキーさんたちは途中でハーシェ村に立ち寄り、そこで一晩を過ごすと言っていたわ」
「ハーシェ村?」
その村は、マルクスさんがいる廃棄のダンジョンのすぐ近くにある村だ。
「ハーシェ村なら、竜の瞳の効果ですぐに行けるけど……なぜハーシェ村に?」
「道中を通る村だからじゃないの?」
「それだと、少し遠回りになるんだ」
先ほど、地図でガーネス・シティの場所を確認したが、わざわざハーシェ村を通らなくも、近くにもっと大きな都市がある。
それでもハーシェ村を訪れる理由があるとすれば、
「もしかして……あそこにマルクスさんがいることを知っているのか?」
そういう結論に至る。
「むやみやたらに突っ込んでいったのではなく、頼れる仲間を集めにいったのかもしれないな」
「だったら、私たちも急ぎましょうよ」
「そうだな」
イルナにせっつかれる形で、俺は竜の瞳の力を開放。
全員で風のダンジョンから一気にハーシェ村へと向かった。
ハーシェ村にたどり着くと、すぐさま宿屋を目指す。
と、その時、
「あれ!? どうしたの、みんな!」
「何かあったのか?」
ふたり揃って荷物を抱えたアメリーとエディさん親子にバッタリ遭遇する。
「あっ、お久しぶりです」
「おう。元気そうで何よりだ」
「はい。毎日楽しく冒険を――って、そうじゃなかった!」
普通に世間話を始めちゃったけど、それはまた後で。
今はカタルスキーさんたちと合流することが先決だ。
「エディさん、今日この村に冒険者の一団が来ませんでしたか?」
「冒険者?」
「パパ、あの人たちじゃない?」
「うん? ――ああ、やけに明るいおっちゃんが来てたけど」
「!? 間違いありません! カタルスキーさんです!」
リンは叫ぶが……明るいおっちゃんっていう情報だけで把握できるのか。
「ハーシェ村に来ているなら、早速会いに行きましょうよ」
「そうですね。もしかしたらダンジョンへ入る仕掛けのことを知らないかもしれませんし」
「ありましたねぇ、あの仕掛け」
「なかなか面倒」
そういえばそうだったな。
あの時はイルナが行方不明になって大変だったっけ。
っと、思い出に浸っている場合でもない。
とにかく、カタルスキーさんに会わないと。
俺たちはエディさんとアメリーに別れを告げて宿屋へと向かった。
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