第161話 風のダンジョン
【お知らせ】
第6回カクヨムコン特別賞&ComicWalker漫画賞受賞
「絶対無敵の解錠士」
《レーベル》スニーカー文庫
《イラスト》UGUME先生
《発売日》11月
書籍版でしか読めないオリジナルエピソードもあります!
現在予約受付中!
よろしくお願いいたします。
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ハーシェ村での一件は思わぬ寄り道となったが、その分、ちゃんと収穫もあった。
「聖女ルナリア様、か」
この世界のどこかにある聖都市。
そこにいるという聖女ルナリア様は、世界でもトップクラスの
俺たちは旅の目的地に聖都市を定めた。
しかし、優先すべきはダンジョン探索だ。
霧の旅団の一員として……俺たちはまだまだ経験が浅い。
リカルドさんやエリオットさん、それにユリアンさんと、歴戦の勇士が集うあのパーティーに名を連ねているのだと胸を張って言えるだけの経験を積むため、いろんなダンジョンに挑み、その締めくくりとして、聖都市を目指そう。
それは、エディさんと村へ戻った日の夜に、宿屋の俺の部屋にみんなで集まり話し合って決めたことだった。
その旅の次の目的地は……風のダンジョン。
「地図によると、そろそろ風のダンジョンの最寄り町であるラウーフが見えてくるはずなんだけど……」
御者を務めるイルナが地図を片手にそう呟いた。
辺りは一面草しかない、絵に描いたような草原。
こうしていると、最初に挑戦した草原のダンジョンを思い出すな。あそこも何もないところだったが、マッスルスライムやツリーシャークなど、なかなかクセの強いモンスターがいたな。
だが、今度挑むのはこのような草原ではない。
通称・「風のダンジョン」――一体、どんなところなのか。
今から楽しみだな。
「あっ! イルナさん、あそこがそうじゃないですか?」
「どうやらそうみたいね。みんな! 町が見えてきたわ!」
イルナの横に座るマシロが目的地であるラウーフの町を発見。
俺たちもどんな町なのか興味を抱き、荷台から顔を出してチェックする。
「大きな風車だな……」
第一印象はそれだった。
町に近づくにつれてその数を増やしていく風車。
これは推測だが、風のダンジョンと呼ばれているからには、ダンジョン内に風が流れているのだろう。あの風車は、恐らくその風を利用して回っているものと考えられる。しかし、ダンジョンからの風をどのようにして取り入れているのかは謎だ。
そんな風車が点在する中、住居と思われる建物が集中している場所がある。
あれが……ラウーフの町か。
「ハーシェ村よりも大きい」
「そうだな、トーネ。でも、アルメンタの町よりかは小さいな」
「あそこはゾルダン地方最大都市ですからね」
「ワンワン!」
「テリーも関心があるみたいね。それにしても……あの煙が出ている場所には何があるのかしら」
新しい町に興味津々の俺たちは、次々に感想を口にする。
町への関心もあるが、廃棄のダンジョンではマルクスさんからもらった宝箱しかなかったからなぁ……中身は激レアアイテムだったが、自分たちでモンスターを倒したり、トラップを解除して入手したわけじゃないからな。
さて、あの町ではどんな冒険が待っているのか……そしてどんな出会いが待っているのか……本当に楽しみだ。
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