*22話 3ユニオン合同「井之頭公園メイズ」攻略② 月下PTの実力
12層 「東区画」中盤
「
「
次に月成はそう言うと、小太り(といっても以前より痩せてスリムになった)槍持ちの
「
と、後列の遠距離攻撃組にも抜かりなく指示を送っている。
「分かりました、お姉さま!」
とは百合系(?)ツインテールな
「ボクはコボルトリーダーを狙う!」
とは、ボーイッシュ系アーチェリー女子(ボクっ娘)の
場所は12層「東区画」の中盤通路。前方からコボルト
だが[月下PT]の連携は隙が無い。
「大地よ
そんな声と共に工藤杏の【土属性魔法:中級】が発動。ひと塊で突進してきたメイズハウンド集団の
「よし! 弱化魔法が効いたぞ!」
とは、PTの最後尾に居たヒョロガリ眼鏡男子の
結果として、【弱化魔法:下級】の影響を受けたメイズハウンド集団の先鋒は、ガクンと突進の速度を落とした。そこへ、
――ビュッ、ビュッ、ビュッ!
矢継ぎ早の風切り音。月成が持つ[魔剣:フライズ]の固有スキル【飛斬】が発動した音だ。威力は【戦技スキル】の習熟によって得られる「飛ぶ斬撃」や里奈の【操魔素】を利用した「飛ぶ打撃」と比べれば低いが、それでも【弱化魔法】の影響を受けたメイズハウンドの先頭4匹は、その攻撃で血塗れになる。そして、
「――フンッ!」
「せいっ!」
「やぁ!」
と短く気合を炸裂させる神宮寺君の日本刀に続き、神谷さんの西洋剣と東條君の短槍が縦横無尽に繰り出される。刀身や穂先が閃光のように
「ウォオォォンッ、オウオウッ!」
不利を察して立て直そうとしたものか、後方では2匹のコボルトリーダーが指示を送るような吠え声を発する。しかし、
「ウォォッ――」
その内1匹の喉元に、三崎麗香が放った矢が突き立った。滑車とテコの作用で強力なドローウェイトを発揮するコンパウンドボウは、喉から入って
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「う~ん……アイツ等、戦い方が変わったか?」
「どどど、どうでしょう……うう動きががが良いのかかな?」
「月成さんが前に出過ぎないようになりましたね」
そんな言葉を言い合うのは、[
[小金井メイズ]の時は、解散の一歩手前まで関係が悪化していたが、そこから
「連携かぁ」
「ぼっぼ僕達も」
「頑張らないと、ですねぇ」
そんな感想になる。とここで、俺の意識に
「みんな、後ろからモンスター! 数は大体15匹前後、ゴブリンだと思う」
(ピンポーン、正解なのだ!)
ハム太……そう言うの、別に良いから……
「よし、じゃぁ一丁気合を入れて」
「ははははぃ!」
「やりましょう!」
ということで、[チーム岡本]は後方へ向けて回れ右。通路は20mほど直線で、その先が直角の曲がり角になっている。その曲がり角からゴブリンFを中心にしたモンスター集団が姿を現した。
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