*6話 井之頭中規模メイズ② 現在の状況
その後、8層中ほどの戦いは
ちなみに、[チーム岡本]の現在の状況はこんな感じになっている。
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遠藤公太(26歳)
種族 人間(男性)
耐久値 222/222
魔素力 205/205
力 11 (x1.41)
敏捷 12 (x1.42)
技巧 12 (x1.44)
理力 11 (x1.45)
抵抗 14 (x1.45)
修練値 135/835
習得スキル(常時有効型)
・戦技(刀剣)Lv4
・気配察知Lv1
習得スキル(使用型)
・能力値変換Lv3
・隠形行Lv3
・水属性魔法:下級Lv2
武器:太刀[幻光]Lv2
カタナソード[陽炎]・木太刀
防具:試作乙式3型四肢防護具
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岡本忠司(33歳)
種族 人間(男性)
耐久値 293/293
魔素力 167/167
力 12 (x1.47)
敏捷 11 (x1.41)
技巧 11 (x1.41)
理力 10 (x1.38)
抵抗 13 (x1.43)
修練値 27/827
習得スキル(常時有効型)
・戦技(最前衛)Lv4
習得スキル(使用型)
・挑発Lv3
・威圧Lv1
・防御姿勢Lv1
武器:飯田式フランジメイス3号
(属性石封入型)
防具:試作甲式2型四肢防具
試作甲式1型体幹装甲
飯田式方形ポリカ盾
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嶋川朱音(23歳)
種族 人間(女性)
耐久値 197/197
魔素力 241/241
力 9 (x1.38)
敏捷 11 (x1.43)
技巧 13 (x1.47)
理力 11 (x1.42)
抵抗 10 (x1.39)
修練値 139/839
習得スキル(常時有効型)
・戦技(弓)Lv4
習得スキル(使用型)
・強化魔法:中級Lv3
・手当Lv2
・看破Lv1
武器:リカーブボウ(30lb)
防具:試作乙式3型四肢防護具
その他:矢筒(属性付与:風属性)
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飯田翔(26歳)
種族 人間(男性)
耐久値 188/188
魔素力 292/292
力 10 (x1.38)
敏捷 10 (x1.37)
技巧 9 (x1.40)
理力 11 (x1.48)
抵抗 10 (x1.36)
修練値 91/841
習得スキル(常時有効型)
・直感
・魔素力向上
習得スキル(使用型)
・2属性元素魔法(火・風):中級Lv2
・生成:障害物Lv2
・念話(未習得)
武器:ピストルクロスボウ
飯田式組立槍
防具:MP-LL-Pro・Plus
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岡本さんは、【挑発】スキルがLv3に上がった事で複数の相手に対して一度のスキル使用で効果を発揮するようになった。そのスキルで、複数の敵の注意を惹き付けつつ、[飯田式方形ポリカ盾]を前面に出して防御重視の立ち回りに入る。8層程度のモンスターなら、5匹、10匹と受け持つ数が増えても、その守りは揺るぎが無い。
ただ、岡本さんの性格的に、防御一辺倒の戦いに終始することはない。防御の合間に隙を見せたモンスターには、強烈な一撃を繰り出す。そんな時は、前回の太磨霊園メイズ後に習得した【防御姿勢Lv1】を生かし「多少のダメージは織り込み済み」とばかりに豪快な一撃を放つ。また、どうにも隙が無い場合は、【威圧Lv1】を使って、強引に打ち込む隙を作ったりもする。
PTの壁役ながら、強力な攻撃力を備える岡本さんは、まさに文字通りの
一方、朱音の方は、今のところ新しく習得した【看破】スキルの出番は無いが、そんな事は全く問題にならないほど、攻守に渡って安定した活躍を見せている。特に攻撃力に関しては、風属性を付与する[属性矢筒]の恩恵もあり、多分瞬間的な攻撃力はパーティー内で随一だろう。なにせ、小規模メイズながら15層の
勿論朱音もその辺は認識しており、少し前からリカーブボウのドローウェイトを敢えて下げる事で、威力重視から手数重視に方針変更している。結果として、そこそこに高威力な属性矢による狙撃を殆ど「連射」のように放つのだから、この変更は大当たりだろう。
また、朱音の場合は【強化魔法Lv3】による全体強化や、【手当】スキルによる治療も「超」が付くほど重要な役目だ。結果として彼女は[チーム岡本]が背中を預ける強力な後衛として、攻守全般に影響を与える存在になっている。
と、そんな朱音だが、1月中頃の
ただ、俺がそんな朱音の変化に気が付いたのはつい最近の事。実はこれまで、そんな変化に一切気付かないという
だってそうだろう。朱音の変化に気が付いたのも、実は「里奈にメッセージを送ろう」と踏ん切りを付けた後のことなのだから。それまでの約2か月間は、ひたすら後悔と自責を抱えて自分の殻に閉じこもりがちにして過ごしていた。その殻を破って、一歩踏み出して見えたのが、先ず朱音の変化だったという訳だ。
「一体、お前はどうしたいんだ? 何様に成ったつもりなんだ?」と自分に問いたい。
(何様でも良いのだ、それより戦闘中なのだ!)
あ、そうでした……
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「コータ!」
「コータ先輩!」
ハム太の強めの【念話】で現実に引き戻された俺。そこに岡本さんと朱音の声がかかる。一応、思考に気を取られつつも、身体はきっちり仕事をしていたようで、俺の前には斬り斃したゴブリンSとゴブリン
「ナイトは任せた!」
「左から回ってください!」
と、2人の声がかかる。
状況は戦いの終盤。25匹居たゴブリン集団は、岡本さんに取り付いた5匹のゴブリンFと、通路の先に居るゴブリンKを残すのみ。
「わ、分かった!」
そんな2人の声に応じて俺は一歩踏み出す。朱音の言う通りゴブリンKに対して「左から」回るようにする。多分、右側は朱音の射線ということだ。ならば、と俺は(思考を脇に逸らしていた後ろめたさを隠すべく)太刀[幻光]から右手を外し、その手を前へ掲げる。そして迸る水の流れを強くイメージ。すると、
――ドバァ!
と、何も無い空間に突如水塊が現れ、それが小さな滝のような水流となってゴブリンKを襲う。
「ギョギョン!」
発動したのは【水属性魔法:下級Lv2】。決して、これだけで倒せる威力ではないが、俺はコレを目潰しとして使用する。勿論目的は、
――ブゥンッ
と風を纏って
結果、朱音の放った矢は、水流を防ぐように両手を前に突き出していたゴブリンKの左胸に、無骨な金属製の胸甲を突き破って、突き立った。致命的な一撃。しかし、急所である心臓の位置を少し外しているため、ゴブリンKは未だ動く。
「チッ!」
と朱音が(お下品な)舌打ちを発する。ただ、こういう
――ピッ
という太刀の風切り音。そして、
「――ギョ」
と中途半端に途切れた悲鳴。結果、ゴブリンKの頭が兜ごと宙を舞う。
これで、8層中ほどの戦いは殆ど終了となった。後は、岡本さんに掛かっていたゴブリンの残りを斃し、ドロップを回収。そして、移動再開となる。
移動中は、戦闘中に上の空だったことを岡本さんと朱音、そして飯田とハム太に
「以後、気を付けます」
と反省の念を表明しつつ(なぜか「当てにならないなぁ」と他3人からコメントされたが)、その一方で【気配察知】は怠らない。
結果として、一連の戦闘以降は纏まった数のモンスター集団と遭遇することは無かった。途中で出現したコボルトチーフも【遠吠え】を発する前に朱音の矢や飯田の【魔法スキル】で倒される。まぁ、【遠吠え】からのラッシュを誘発しても良かったかもしれないが、今日の目的は別に有るし、少し時間が押しているので、そんな感じになった。
程なく、[チーム岡本]は9層へ降りる階段へ到着。この後は来た道を引き返し、途中に設定した合流地点で[脱サラ会]と[TM研]と合流する。そして、9層を目指す事になる。ただ、9層は3PTで固まって通り抜ける事になるだろう。というのも、今日の目標は15時までに10層攻略だからだ。
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