レベル上げダンジョンへ

「そういえば……ユフィ。あんた今、レベルいくつだっけ?」


「……え?」


「しばらく解析(アナライズ)の魔法使ってなかったじゃない」


「……そういえば私のレベルっていくつなんでしょうか?」


「診てあげるわよ」


 マリサは解析(アナライズ)の魔法を使用した。


「レベル5ね」


「う、嘘っ! か、変わってない! 私のレベル低すぎっ!」


「何をしてきたの? ユフィ」


「……な、何もしてません!  全ての敵はシンが倒してました! これでは勇者とは言えません! 守られているお姫様です!」


「ぷっくすくす。レベル5の雑魚のくせに私に対抗意識燃やしてたわけ?」


「う、うるさいですね。ちなみにマリサのレベルはいくつなんですか?」


「レベル50よ」


『マリサ・マギカ。年齢15歳。性別女性。職業魔法使い。ⅬⅤ50保有魔法(大体の魔法が書かれている)。ステータスHP1000 攻撃力50防御力100魔力500俊敏性100』


「うわっ。私の10倍!」


「どやっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 マリサは優越感に満ちた人を見下したような顔をした。こういう顔は彼女はよく似合う気がした。


「むかつきますっ!」


「アリスは……えっと。レベル40ね」


「それでも私より高いんですね」


 ユフィは涙を流していた。


「すまない。気が回らなかった。俺はパーティーの事を考えていなかった。皆が強くならなければならなかった。いつか出会う強敵に備えるためにも。その点を考慮していなかった」


俺は謝罪をした。


「別にダーリンが謝らなくても」


「けどいつまでもシンにおんぶにだっこではこの先が思いやられます」


「そこでだ。今いる場所のすぐ近く。ダリオス迷宮というダンジョンがある。そのダンジョンはレベル上げに最適らしい。そのダンジョンを攻略しているうちにレベルも自然に上がる事だろう」


「レベル上げってわけね」


「わかったわ」


「うん。わかった」


「そうだ。ダンジョンでモンスターを倒し、レベルを上げるんだ。そこで皆で強くなろう」


 こうして俺達はダリオス迷宮へと向かった。


 ◆◆◆


 ダリオス迷宮第一層。


「すらっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 俺達の目の前に出てきたのは数体のスライムだった。アメーバのような半固体の生命体ではなく、デフォルメ調の可愛いマスコットのようなモンスターだった。


「すらっ! すらっ! すらっ! すらっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「すらっ! すらっ! すらっ!」

「すらっ---------------------------------!」


「可愛い!」


 ユフィは目を輝かせる。


「確かに可愛いけど……」


「ねぇ。ダーリン。二人の愛の巣にペットがいると余計に華やかになるわよね。犬や猫もいいけど、スライムなんかどうかな?」


「趣旨を間違えるな。俺達はペットを拾いに来たんじゃない。このダンジョンにはレベル上げに来たんだ」


「そうねっ。えいっ!」


 ユフィの攻撃。


「すらっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 スライムは吹き飛び、消えてなくなった。


「えっ? 軽く剣で撫でただけなのに」


「スライムはこの世界でもっとも弱いモンスターだ。こいつを倒せないと困る」


「ていっ!」


 アリスは攻撃した。スライムは消えてなくなる。


「この程度ではレベル上げにもならない。もっと奥深くまでいこう」


 俺達は地下迷宮を奥深くまで進んでいく。





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