第20話
公園の奥へと進み、動物園があるエリアへと向かった。
近くに神社があるとはいえ、さぞ目立つことだろう。
だが、そうでもなかった。
カラカラと
前に下見で来たが、この動物園、料金を支払って入れるところにはさすがに劣るが、それでも決して悪いわけではない。
10数種類がいて、ちょっと立ち寄るにはむしろ、ちょうどいいとすら言える。
ニワトリ、クジャク、トビ、カルガモといった鳥類。モルモット、カピバラといった
すべての名前をあげるだけでも一苦労しそうだ。
だが――
「
瞳を輝かせ、喜々とした表情を浮かべ、動物たちの
光愛家では犬を
そんな光愛だからこそ動物園は楽しめるスポットになるだろうと予想していたのだ。
その予想は
見逃しがないよう
今日はデートなのだからと、一瞬でもその考えに至った自分を
一通り動物を見てから、元来た道に
途中にあるだんご屋を横目にしつつ提案する。
「だんごでも食べてかないか?」
「いいですね。食べていきましょう」
だんごが好きではなく、乗り気でない可能性があったが、
特に嫌な顔せず、足取り的にも無理しているようには見えない。
組んだプランに問題がないようで、ほっと胸を
「いらっしゃいませ」
運良く待ち時間なしで店内を利用できた。
このお店はテイクアウトだけでなく、店内利用もできる。
外観はだんご
見方によってはだんご屋とは思えないだろう。
お
「なににします?」
「う〜ん、そうだな。焼きだんごにお茶かな」
「そうですね。酒まんじゅうはわたしたち、未成年なので食べれませんし」
「いや、ならそう書いてあるだろうから大丈夫じゃないか?」
「そうなんですね。それじゃ食べてみますか?」
「そうだな。どんな味かもわからないし、半分ずつにするか」
「はい」
店員を呼び注文をする。
焼きだんご2本にお茶を2つ、そして酒まんじゅう。
お昼は別に
さしずめ、朝と昼の間に食べる間食といったところか。食べ過ぎは問題だが、少量なら大丈夫だろう。
程なくして注文の品が
見た目、特に変わったところがなさそうだ。
焼きだんごは程よい
問題は酒まんじゅうだろう。いったいどんな味がするのだろうか。
食すべく目を向けると、さっきまで置いてあった場所にはすでにない。
半分ずつにと話していたのにかぶりついている。2つに割るものだと思っていたため
ただ分けるつもりはあったらしく、残りを俺によこしてくる。
なにも言わず、それを受け取る。
恋人同士とはいえためらいはあるも、光愛に気にする
口にしたまんじゅうの
気にしてても仕方がないため、勢いをつけて口に含む。
出来立てなのか、ほかほかで温かい。むしろ、熱いぐらいだ。
モチモチで柔らかい。
食べてみて思う。
名前をちゃんと認識していなかっただけで、過去に食べたことがある。
よくあるだろ。ダイニングテーブルに置いてあり、おいしそうで食べるけど、ちゃんと名前まで把握していないってやつ。
ただ今回は食感や味よりも、普段の食事では意識しないことを考えているため、特別な感情が
光愛を感じるわけもないのに、
そうして食べ終えてみれば、
ただただおいしいまんじゅうだった。
「おいしいですね」
「……そうだな」
いまだ気づいていないのか、光愛の笑顔は咲き
気にするのもバカらしくなり、茶をすすり
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