第12話 水族館デート③

俺は、自分の耳を疑ったかどうやら空耳ではなかったらしい。

光司と香澄が水族館へいく?

なんでこの2人がいくんだ?

光司と香澄はこれといって特別な思い出があった訳でもない。

「はぁ?お前らも行くのか?」

「なんか新しくリニューアルオープンする水族館なんか、凄いらしいじゃない。」

とかなんとか快人と光司が話してる間で、俺、葵衣、白鳥は、3人とも気まづく顔を伏せていた。

俺と白鳥に至っては、2回も水族館に行くはめとなっている。別に水族館に行きたくない訳では無い。むしろ行ってみたいとおもっている。

だが、問題は次の日の開催初日に快斗と白鳥が行くということだ。別に俺は、あいつらと会おうがなんの問題もないのだが、問題は葵衣にあった。

多分葵衣は、俺とふたりで見に行きたいんだと思う。出なきゃ皆で行こうって言い出せばいいのにそれをしないし、なんなら顔を白くさせている。

さて、これはどうすればいいんだ。


(まさか、快斗くんが水族館に誘ってくるなんて、思いもしなかったわ。)

私、白鳥結実は壮大な状況に直面していた。

駿とデート(前夜祭パーティー)をする次の日に快人からも、誘われるなんて。

別に快人との水族館は問題じゃない。

そう、私は知っていた。

葵衣と駿も開催初日に水族館に、行く約束をしていると。

素直に言う私は、駿が好き。

幼い頃から好きだった。

好きな人は誰にも取られたくなかった、私は独占欲が強い。だがらこのも、建てた。快人と水族館にデートしに行く振りをして葵衣と駿のデートを邪魔する!

我ながら最低だと思った。

だけど好きな人を取られるよりマシだと思っての計画だった。

この計画は快人も知っている。

そして、私が駿のことがすきな事もバレている。いや、バレていた。

どちらにせよ絶対に葵なんかに駿は渡さない!


(まさか、まさか、そんなっ)

寄りにもよって開催初日に快人と白鳥さんも水族館へ行くなんて。

これは、完全に予想外だった。

私は駿と2人で水族館へ、行くと約束した。

だけどなぜ2人で行きたいのかまだ駿には、言っていない。言えるわけが無い。

駿が、好きだなんで言えない。

だから、まずは水族館に、一緒に行こうと誘ってみた。最初は危なかったけど、駿もなんとかOKしてくれたし、と思っていた矢先にこの状況。別に日にちを変えれば良いんじゃないかなって思うかもしれない。

それは、絶対にダメ。

なんでかって?



それは、あの鯨を誰よりも先に観ないといけないから。

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僕と彼女 そして友人 時には鯨 @Zeen

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