第5話 クレープ
図書委員男子で、手を挙げたのは快人だった。
「じゃあ図書委員は、白鳥と快人のペアで決定だな」
と担任の斎藤は言い、快人の名前も黒板に書いてゆく、そして一通りの委員会が決め終わり、その流れで順調に係決めも終わった。
葵衣は、他の女子とペアになり委員会ではなく係の方に入った。
そして、ホームルームが終わり再び俺達は集まっていた。
「それじゃ、この後皆でクレープ食べに行きましょうよ。」
と言う光司が提案し俺達は皆で声を出し
『賛成!』
と言い教室から出た。
校舎を出ると登校時間より日が昇っており空気が温かく、桜の花びらかが、朝より濃くはっきりと朱色に輝いていた。
そして、少しの間皆で喋っていると目的地のクレープ専門店のカフェに着いた。
俺達は店の中に入り、五人席のテーブルにつきメニュー表を開いた。
「じゃあ私は、ストロベリーチョコバナナにしようかしら」
と光司が言いそれにつられて快人が
「俺は、このツナサラダクレープにする」
と言った。
残るは俺と白鳥と葵衣だ。
俺は迷いながらも定番のチョコバナナにした。
そして、白鳥と葵衣は、メニュー表を見ながら悩んでいた。
「う〜ん」
と二人とも声を上げて悩んだ末出た答えは、
この店の店長オススメと書いてある
『マシュマロオレオショコラ生クリーム』だった。
「良しみんな決まったな」
と快人が言いテーブルに置いてある呼び出しボタンを押した。
そして、各々クレープを頼み再びお喋りをし初めた時だった。
「そろそろ続きを始めましょう」
と白鳥が言った。
そう、俺達は五人である物語を描いている。
それは、鯨と共に世界に隠されているある謎を解き明かすと言う内容の物だった。
だがこの物語は、俺達が思いついたものではない。
そう、俺達にな、もう一人親友がいる。
いた....。はずだった....。
親友は全員集まると六人になる。だが今ここに集まっている人数は五人
そう、もう一人いないのだ。
その親友はここにはいない。もう、この世界にはいないのだ。小学生の時に親友は消えた。
俺達にとってそれは、とてつもなく酷く、残酷な
死
だった....。
今でもその記憶は残り続けている。
その親友は最後に、
『今自分の描いている物語を俺達が、五人が、最後まで書いていつの日か、何年かかってでも言い、この物語を書籍化して皆に届けて欲しい。』
と願った。
そして、1人の親友はわずか小学生二年生、7歳でこの世を去った.....。
目をつぶって
笑ったように眠った。
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