第4話 新学期④
「おい、オカマ今なんて言った?」
「私は、オカマじゃないわ、ちゃんと光司って言う名前があるのよ。」
「じゃあ光司、委員会活動はな、男女ペアなの。男子同士は出来ないんだよ。」
と、俺が言うと光司はとんでもないことを言い出した。
「あやらだぁ〜私女よ!」
「は?」
は?である。
(こいつ今、自分の事女の子って言った?)
当然理解が追いつかない。だって光司は男だから。
「先生も別に良いですよね?私と駿が、一緒に学級委員やっても。」
と光司が先生に問い、そして斎藤からの返事は....。
「はい、構いませんよ。」
(終わった。)
「じゃあ決まり!これから宜しくね駿。」
と俺の前の席にいるオカマは俺に手を向ける。
「はい、よろしく。」
と俺は、差し伸べられた光司の手を掴んだ。
これで2年E組の学級委員は冴えない男子とオカマのペアになった。
(このクラスマジでヤバい。)
決まったと同時にクラスの拍手が湧き上がった。
「頑張れ!」
「オカマと駿よろしく!」
「だからオカマじゃないって言ってるでしょ!」
「ファイト」
そして、拍手が鳴り止むと担任の斎藤は次の委員会決めに移った。
その委員会は図書委員だ。
「じゃあ次は図書委員だ。誰か立候補者は、いるか?」
と斎藤は、生徒に問うと一人の手が上がった。
「お、珍しいな白鳥、分かった。じゃあ図書委員の女子は白鳥で良いな。」
と斎藤が言い白鳥の名前を黒板に書いてゆく。
「じゃあ白鳥1年間図書委員の仕事よろしく。」
「よろしくお願いします。」
「次に、図書委員の男子は誰かいないか?」
と斎藤は男子生徒達に問うが誰も手をあげようとせず皆、目をキョロキョロと逸らすだけだ。
「なんだ、誰もいないのか?」
と斎藤が再び男子生徒達に問うと、また一人の手が上がった。その手を上げた人物が意外だったのか、光司がウキウキしていた。
「なになになによ!この展開!どういうことよこれ!」
「オカ....。光司、俺にも分からん。」
ただ一人手を上げた男子生徒の名は、
青峯 快人だった。
「熱い、熱いわ。」
「熱いな、これは。」
(なんで、そんなにウキウキしているんだ。こいつは。)
と俺は心の中で疑問に思っていると、また光司が口を開いた。
「これよこれ!きたわね。」
「何が?」
と俺は光司に問う。
すると光司はニヤニヤしながら俺の方に顔を向けこう言った。
「青春よ。」
「なるほど。」
「これは、深いわね。何だかゾクゾクするわ。」
( 俺の青春どこ行った?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます