第3話 新学期③

「はぁー」

と俺はため息をつき隣の席に座っている彼女へと目をやった。

「はぁー」

すると、彼女もため息をつき俺の方を見た。

「また、あんたと隣の席なの」

そう、俺と白鳥は去年も同じクラスで、しかも隣の席だったのだが....。

「なんでなのよ!なんで毎回あんたの隣の席なのよ!私は葵衣の隣が良かったのに!」


「おいおい、忘れたのか?うちの高校の席順は男女交互だろ?」


「そうだけど。」

と白鳥は、押し黙ってしまった。

とそこに....。

「ちょっとちょっと〜。ま〜た朝っぱらから喧嘩してるの?お2人さん。いやねぇ〜」

とやたらオネエ口調な男の声が後ろから聞こえてきた。

「よっ!来たか。」

と快人が、また大声を上げて彼を呼んだ。

「あらぁ〜快人じゃない!久しぶりね、元気してた?」

「おう!今日から1年間よろしくな。」

「えぇ!こちらこそよろしく」

そんな会話を快人と交しているこの男の名は、康村やすむら 光司こうじと言う。

光司は、The・オネエだ。

髪は緑色をしており、後ろで髪留めを使い人結びにしている。そしてしている。完全にオネエだ。

「おはよう光司」

「おはようございます光司さん」

「よっ!光司」

と次々に光司へと俺たちは朝の挨拶して行く。

「あら!葵衣じゃない!もう何なのこのクラス、こんなクラスで1年間過ごすなんて絶対楽しいに決まってるじゃない!何だかワクワクしちゃうわね!」

と自分の体を左右にクネクネする光司

すると、快人が言った。

「やっと5人揃ったな」

そう俺たちは皆初対面じゃない。もっと小さい頃、幼稚園の頃からのお友達、そして親友なのだ。

ただ1人を除いては.....。

「じゃ後でね」

と俺たちは、各自の席に戻り朝のホームルームになった。

教室に入ってきた担任は去年とは違い女性の教師だった。

名前は斎藤さいとう 莉奈りな

(担任は女性か)

などと思っていると

齋藤が口を開いた。

「早速だが、簡単な自己紹介と委員会、係決めをしてもらう。」

と斎藤は言い、皆は自己紹介をし始めた。

オネエもイケメンも、美少女も全員済ませた。

そして、次は委員会、係決めな訳だが.....。

すると前の席のオネエの光司が急に席を立ち発言した。

「先生、学級委員は私と駿がやるわ」

「は?」

「あら、良かったじゃない」

と隣の席のプリンセスが言い、それにつられ快人、葵衣クラスの全員が首を、縦に振った。

そして、光司が後ろにいる俺を見てニヤリと笑みを見せてこう言った。

「決まりね!」


「マジ勘弁.....。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る