第1話 新学期①
俺は、朝食を食べながらテレビをつけているとちょうど朝のニュース番組が放送されていた。
『日本初!鯨を飼育している水族館がリニューアルオープンしました』
(へぇー鯨の居る水族館か。)
『鯨を見ながらランチやディナーなどが楽しめます』
映像では大きく弧を描きながら泳いでいる姿がレストランの雰囲気ととても会っていて
画面越しからでも綺麗な虹のようだった...。
『この水族館でのディナーは、予約制となり既に2ヶ月待ちとなっており大変人気となっています。』
なるほど。思いながら俺はつけていたテレビをリモコンで消し、洗面所で歯磨きをしていると。
ピーンポーン
と家のチャイムが鳴って、俺は歯ブラシを口に
モニターを覗いてみると、そこには俺が良く知っている幼なじみの姿があった。
「ふぁ〜いふぉっとまふぇふぇ」
歯ブラシを口に咥えたまま喋ってしまったので幼なじみの
「ふぁから、ふぉっとまっふぇふぇって」
俺がもう一度繰り返しそう伝えると寒咲は何を思ったのかカメラ越しにケラケラお腹を抱えて笑っていた。
その後、俺はすぐ制服に着替え家を出た。
ドアを開けた先にはスマホをいじりながら寒咲が立っていた。
「おまたせ」
「もぉ〜遅いよ」
と寒咲は返事を返し俺の隣に並んで一緒に学校目指して、登校する。
寒咲 葵衣は、クラスのムードメーカー的存在でいつもニコニコして誰とでも仲良く接し男女問わず学校内でのアイドルで、頭の良くテスト成績ではいつも学年上位だ。
特徴的な髪色はデジタルパーマミディアムな髪型をしており頭から首辺りまでは、鮮やかな水色をしているが首から肩にかかっている色は薄いピンク色をしており、とても目立っている。
そんな彼女と俺は毎日登校下校を繰り返していた。
「朝ご飯何食べた?」
寒咲から急に話を振られて俺は言葉を詰まらせた。
「え〜っと、目玉焼きと味噌汁とレタスやトマトが入ったサラダかな、寒咲は何を食べたんだ?」
「私はねぇ〜食パンとヨーグルト!」
俺達は、そんな何気ない会話を15分ぐらい続けていると、通っている
「そうだ、見た?」
寒咲が、途端に聞いてきた。
「何を?」
「今日のニュースの水族館」
どうやら寒咲も同じニュースを見ていたらしい。
「あ〜見た見た、日本初の鯨が居るっていう水族館だよな、見たぞ」
「あの水族館....。私と一緒に行かない?」
俺は固まってしまった。あの人気者の寒咲から、水族館に行こうと誘われた。
(俺なんかで良いのかな....。)
生暖かい風が吹き、桜の花弁が俺達を包み込むように散っていった。
そして俺は寒咲からの誘いの返事を返した。
私は、意を決して駿に告げた。
「あの水族館....。私と一緒に行かない?」
二人の間には沈黙があった。
私は、その空気に耐えきれず、2.3歩前に進んで後ろに振り返り駿の顔を見た。
その顔は、驚いたような、嬉しいような、不安なような顔をしていた。
生暖かい風が吹き、桜の花弁が私達を包み込むように散っていった。
そして駿が答えた....。
「考えさせてくれ....。」と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます