第2話 大地の守り神 タオの目覚め
私は空から雨のように落ちてくる無数のカニのような生物を見て、ただ祈り続けた。人はこのような絶望的な状況でも祈ることはできるのだ。すると私の頭の中にふと ある考えが浮かんだ”カニのような生物は前に進めない”ということだ。私は前方にいる巨大なカニのような生物を見て、家に引き換えることにした。カニのような生物は私を追ってこなかった。
そして私は無事に家にたどり着くことができた。そしてしばらく使っていなかったドローンを探し出し飛ばしてみることにした。このありえない現状を空中からみてみようと思ったのだ。もし、逃げることができるなら、どの方向に逃げるべきかを確認することにした。
ドローンの映像からわかったことは、私の家は無数の巨大なカニのような生物に囲まれてどこにも逃げられないということだった。
絶望的だった。巨大なカニのような生物に食べられて死ぬ運命なのだろうか。いや、どんな絶望的な状況でも、私はあきらめないのだ。私は祈った。祈りは必ず叶うのだ。
するとどうだろう、遥か彼方に見える山が大音響をたてて突然噴火し、しだいに山全体が真っ赤な火の塊になった。その火のかたまりから巨大な一匹の亀が現れたのだ。驚いたことに、その亀は空を飛び、口からマグマを雨のように降ってくるカニのような生物めがけて吐いているのだ。
そして、声が聞こえたきた。
”我は古よりこの母なる大地を守る神なり。邪神どもがまたやってきたようだな。祈るがよい。命の限り祈るのだ。すべての願いは、必ず叶う。祈りは次元をかえるのじゃ”
私は一体何のことかわからなかった。そしてこのありえない状況を理解することができずただ戸惑うだけだった。
誰かが家のドアを軽くノックした。いったい、こんなときに誰だろう。私は窓からのぞいてみた。そこには長身の見たこともない美女がアフリカの民族衣装のような服を着て、長い槍を持って立っていた。
その美女は何者なのだろうか。 不安に駆られながらも、恐る恐るドアを開けた。 「あなたは一体、どちらさまですか?」私は小声で尋ねた。 美女は静かに微笑みながら、答えた。
「恐れることはありません。私はこの次元を探索する者、ホウと申します。あなたの祈りが私をここへと導いたのです。」
「次元…?私の祈りが?」
混乱するばかりの私に、ホウは優しく頷いた。
「はい。祈りは時に空間を越え、必要な者を呼び寄せる力があります。そして私はあなたを助けるために来ました。」
この奇妙な出会いに一筋の希望が見え始めた。魔法かもしれないと思いながら、私はホウに導かれるままに行動することに決めた。 ホウは、ドローンの映像を他のスクリーンに映し出し、巨大なカニのような生物たちの動きを分析し始めた。
「私たちには計画が必要です。そしてあなたのドローンは私たちの目となるでしょう。」
ホウの槍には謎めいた力があるようだった。彼女は言った、
「この槍は、邪神たちに対抗するためのもの。だが、その前に守るべきあなたの家族や仲間たちを集めましょう。」
新たな展開に心を奮い立たせながらも、私は再び祈りを捧げることにした。最も厳しい状況でも、私たちには希望がある。祈りは、確かに次元を変えるのだと信じて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます