パヤナーク戦記
中村卍天水
第1話 恐怖、太古の蟹神
真夜中に、私は不気味な音に目覚めた。私はタイの田舎に住んでいる。田舎というと日本の田舎とは少しイメージが異なる。一番近くの隣の家までは歩いて500メートルはある。孤立した小さな家で愛犬ジェットと暮らしている。普段は静かで、都会の生活よりもはるかに快適だ。しかし、夜中に不気味な音を聞くと、自分が孤立して生活していることを突然思い出される。その音は隣の部屋から聞こえた。床を引っ掻くような音がし、聞いたことのない生物の鳴き声のようなものがときどきする。
私のこぢんまりとした家には、リビングと兼用のキッチン、そして寝室があり、その寝室はバスルームにつながっています。私はドアを少しだけ開けて、リビングの様子を見に行きました。部屋の明かりはついていなかったため、よく見えませんでしたが、暗闇の中で巨大な黒い骨のようなものが動いているように見えました。それだけではなく、巨大な鉤爪も見えました。さらに、真っ赤な2つの輝く光まで見えました。
その巨大な生物は・・・。
そんなはずはない。
しかし、その巨大な生物は、私が早朝に近くの池で釣りをしていたときに、釣れた奇妙なカニに似ていた。そのカニは全身が黒く、目が燃えるように赤く、見るからに凶暴な感じのするカニだった。私は珍しいカニなので、後で何というカニか調べてみようと思い、家でプラスチックの容器に水を入れ、その中に入れておいた。不気味な生物はそのカニによく似ているのだ。
私は外に出ることができない。だが、その不気味な生物もリビングから外に出ることはできないようだ。だが、それなら、どうしてリビングにその巨大な生物がいるのだろうか。その小さなカニが突然巨大化したのだろうか。それしか考えることはできない。私はとにかく外に逃げようと思った。そうだ、バスルームには小さな窓があった。私はその小さな窓から逃げることにした。
数日前のある夜のこと、月が奇麗だったので私は庭に出て月を眺めた。しばらく満月を見つめていた私は、シンハービールを飲みながら愛犬ジェットの頭を撫でていた。傍らには、ビールの缶が5つあり、私は心地よく酔いに浸っていた。そのときだ、突然、星空が引き裂かれたかのようだった。夜空に裂け目ができたのだ。それは私が酔い過ぎて見た幻覚だったのかもしれない。それはまるで異次元の裂け目のようだった。その裂け目から無数の小さな光の球が現れた。私は恐怖を感じ、すぐに家の中に駆け込み、酔いすぎたと反省し、すぐにベッドで眠った。外ではジェットが吠え続けていたのを記憶している。
私はバスルームの窓から外に出ることができた。そして、逃げ出した。近所の家まで走った。無我夢中で走り続けた。途中で疲れて立ち止まった。そして、何か不思議なことに気がついた。頭上を見上げてみると、そこには巨大なUFOが浮かんでいた。そして、そのUFOから、小さな無数の光の球が落ちてきた。その光の球は、空中から落ちてくる間に、小さな奇妙なカニに変身した。そして、地上に落下するや否や、急速に大きくなって、巨大なカニのような生物になった。
隣家に行く途中の道で、その不気味な巨大なカニのような生物に遭遇した。気がつくと、私はその巨大な生物に囲まれていた。もう絶望的な状況だった。私と一緒に走っていた愛犬のジェットは、近づく巨大なカニのような生物に勇敢にも戦いを挑んだ。しかし、巨大な鉤爪に挟まれてしまった。私はその隙に走り続けた。心の中で祈り続けた。あんな不気味な生物に食べられて死にたくはなかった。祈りながら、いつの間にか私は気を失っていた。
左の腕に激痛を感じ、目を覚ました。私は庭のハンモックで寝ていたのだ。左の腕には、あの奇妙な小さなカニがおり、鋏で私の腕を挟んでいた。いつの間にか、ハンモックでシーブリーズを飲んでいるうちに眠ってしまったらしい。私は笑った。安心した。
「私は太古の神、この地上を再び支配するためにやってきた。」
どこからともなく声が聞こえた。
しかし、私の周りには誰もいなかった。
カニがテレパシーで話しているのだ。
「頭上を見よ」
私はその言葉に従って空を見上げた。
そこには、巨大なUFOが浮かんでいた。
そして、無数の小さなカニが雨のように降っていた。
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