10話③編
ミュー「何故、デザイナーさんは満面の笑みなのか」
アディ「そりゃ、出来映えが良かったからだろ」
ミュー「自信満々なアンタもアレなんですけどね!」
アディ「お前も大概往生際が悪いな」
ミュー「ワタシのような小柄が着ても、何も似合わないんだよ!」
アディ「そうか?」
ミュー「そうだよ!」
ミュー「そもそも、アンタがうきうきしすぎなんだよ」
アディ「衣装が出来上がったのを喜んで何が悪い?」
ミュー「どう考えても浮かれ方が小学生だ!」
アディ「しょうがくせい……?」
ミュー「あー、子供!遼くんと同じ世代の子供!」
アディ「そこまで幼かったか……?」
ミュー「普段との差がな」
ミュー「そんでさぁ、ツェリさんが出てくるのもアレだけど、当たり前みたいに担いで運ぶの止めないか?」
アディ「お前に合わせると遅い」
ミュー「他の運び方もあるだろ!何で担ぐんだよ」
アディ「アレが一番楽だからな」
ミュー「自信満々に言うな!ワタシは荷物じゃない!」
アディ「改めてみると、お前の手は本当に小さいな」
ミュー「違う。逆。アンタの手が大きいの」
アディ「そうか?」
ミュー「アンタの身体に対してなら普通のバランスだろうけど、相対的に見たら大きいわ!自分が大柄なのいい加減自覚しろ!ワタシが小さいんじゃないの。アンタが大きいの!」
アディ「お前の掌返しが凄い」
ミュー「それだけ必死だったの!あのときのワタシには、いかにしてお貴族様達との接触を避けるかが急務だったんだから!」
アディ「そう何人とも踊れるほどの体力もないしな」
ミュー「確かにワタシはインドア派だけど、その言い方も腹立つな……」
ミュー「人がやる気になってるのにあの顔はない」
アディ「お前があまりにも後ろ向きに前向きだったのが悪い」
ミュー「何でワタシが悪いになるんだよ!ワタシ、めっちゃ頑張ってたのに!こちとら庶民だぞ!無理難題に必死に耐えてるんだからな!」
アディ「わかった、わかった」
ミュー「聞け!」
アディ「晴れやかな新年会の始まりだというのに、お前の顔」
ミュー「確かに画面は晴れやかね!イベントとしても晴れやかね!でもワタシには何も晴れやかじゃなかったんだよ、ドアホ!」
アディ「皇帝主催の宴が質素なわけがないだろ」
ミュー「そっちじゃねぇえええ!だまし討ちすんな!!!」
アディ「お前も自分でわかっているだろう?」
ミュー「何が」
アディ「前もって告げておいたら、どんな理由を付けてでも病欠枠をもぎ取っていただろう、と」
ミュー「当たり前だろ!衆人環視のソロ舞踏なんぞ、お断りだわ!」
アディ「それなら黙っておくしかないだろうが」
ミュー「ドヤ顔すんな!」
ミュー「オマケに、自信満々に三番を選択しやがって……!」
アディ「俺が他を選ぶわけがないだろう?」
ミュー「いい顔で言ったところで、内容のアレさ加減は誤魔化されねぇんだよ!」
アディ「皆の度肝を抜くには丁度良いんだ。多少インパクトがあった方が黙らせやすい」
ミュー「こんにゃろう」
ミュー「……くっそう。顔がイイ……」
アディ「どうした?」
ミュー「中身がコレだとわかってるのに、こういうときの真面目なセリフと無駄に高い顔面偏差値、本当に悔しい……。勝てない……」
アディ「……お前、意外と俺の顔が好きだな」
ミュー「推しだったものでね!今のアンタじゃないけど!」
アディ「うん?今の俺は違うのか?」
ミュー「当たり前だろ。こんな中身がver小学生みたいな悪友、推しにはならんわ。相棒にはなるけど」
アディ「……なるほど」
ミュー「そこで納得するんかい」
アディ「推しはお前の説明を聞くに一方通行だが、相棒なら双方向だからな」
ミュー「さいでっか……」
アディ「で、いよいよ新年会本番か」
ミュー「地獄の気配しかしない」
アディ「まぁ頑張れ」
ミュー「本当に毎度毎度、他人事ムーブかますよね、アンタ!」
アディ「実際、他人事だからなぁ」
ミュー「うーがー!むーかーつーくー!」
以下、口論が続くので割愛!
(終)
ヒトこのコミカライズ実況解説コント 港瀬つかさ @minatose
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